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50年間に及ぶ百間川改築が完了 国交省岡山河川事務所が式典

修復工事が完了した一の荒手
修復工事が完了した一の荒手
50年間に及ぶ百間川改築が完了 国交省岡山河川事務所が式典
 大雨の際に旭川から百間川に水を分流させるため、江戸期に造られた石積みの堰(せき)「一の荒手」(岡山市中区今在家)の修復工事が完了した。1970年の着手から約50年に及ぶ一連の百間川改築事業が全て終わり、事業主体の国土交通省岡山河川事務所は23日、市内で完成式を開いた。

 百間川は江戸時代の1654年に旭川で起きた洪水を受け、岡山城下を水害から守るために造られた放水路。旭川との分流部に一の荒手があり、旭川の水量が一定レベルを超えると一の荒手を越えて百間川にも水が流れ、旭川流域の洪水を防ぐ構造になっている。

 改築事業は洪水が発生した1934(昭和9)年の室戸台風などを踏まえ、放水路の機能を高める狙い。範囲は分流部から児島湾までの12・9キロで、分流部の改良をはじめ堤防のかさ上げや河道掘削、排水機場設置、児島湾に面する水門の増設などを進めてきた。総事業費は900億円。

 事業を締めくくる一の荒手の修復は2017年11月に着工。全長180メートルの堰の上に堆積した土砂を取り除き、両側の石積み護岸とともにコンクリートなどで補強した。分流部分の底には護岸ブロックを敷いて強度を高めた。

 近くの小学校で、地元住民ら約250人が出席して行われた式では、岡山市の大森雅夫市長が「西日本豪雨の際に旭川下流部は百間川のおかげで被害を免れた。今後も皆さんと一緒に市民の安全・安心を守っていく」とあいさつ。テープカットの後、出席者が一の荒手を見学した。

 式に臨んだ地元連合町内会長の瀧本孝さん(79)=同市中区=は「百間川は水辺の空間が触れ合いの場にもなっている。今後も地域で有効活用していきたい」と話した。

(2019年06月23日 23時12分 更新)

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