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早島の曽根さんがALS闘病記 7月1日刊行「勇気届けたい」

闘病記を手に「読んだ人を少しでも勇気付けられたら」と話す曽根さん
闘病記を手に「読んだ人を少しでも勇気付けられたら」と話す曽根さん
 難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)と闘う岡山県早島町の曽根朋子さん(44)が、医療団体機関紙に1年間連載した闘病記全24回分を本にまとめた。体の自由が奪われていく中でも前を向き、希望を見いだして力強く歩んできた軌跡が詰まっており「人生を諦めない勇気を多くの人に届けたい」と話す。21日は世界ALSデー。

 曽根さんに“異変”が起きたのは2015年秋。友人と訪れていた沖縄の浜辺で腰を下ろそうとした際、「ドテっと尻もちをついた」という。しばらく海を眺め、帰ろうとした時も体に力が入らず、両手をつかないと立ち上がれない。軽いパニックになったが、「運動不足だから」と自らに言い聞かせて落ち着きを取り戻した。

 ただ、体の「違和感」はどんどん大きくなっていった。階段で息が切れ、ペットボトルのふたが開けられなくなり、着替えも立ったままできず座ってするように。思い悩んだ末に16年秋、倉敷市内の病院を受診して「ALS」と告げられた。

 もう元の体には戻れない―。そんな悲しみや不安がとてつもなく重くのしかかった。でも同時に「気のせいでも、不摂生でもなく、病気だと判明してすっきりした自分もいた」という。病を周囲に公表して会話を重ねる中で「ALSに支配されてさえない顔で過ごすのは良くない。体は不自由になっても、心がピンピンしていれば、きっと自分の人生を愛することができる」と心を整理し、趣味の旅行を存分に楽しもうと決めた。

 人工呼吸器が手放せなくなってからも、大好きな沖縄などを家族や友人と訪れる曽根さん。「支えてくれる仲間に感謝しながら、精いっぱい『今』を充実させる姿が誰かの背中を押す一助になればうれしい」と話す。

 本の表題はニックネームの「ひめ」にちなみ「ひめは今日も旅に出る ALSと一緒に」。B6変形判、99ページで1404円。7月1日刊行。

 ALS 体を動かす神経が徐々に侵され、全身の筋肉が動かなくなる厚生労働省指定の難病。体の感覚や知能、視力、聴力、内臓機能は保たれたまま、歩行や食事、呼吸が困難になる。詳しい原因は不明で、根本的な治療法は確立されていない。

(2019年06月21日 17時10分 更新)

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