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劇作家岡本綺堂・経一親子に光 勝央で探偵小説の源流紹介

岡本綺堂と養子の経一さんの関係資料などが並ぶ企画展
岡本綺堂と養子の経一さんの関係資料などが並ぶ企画展
 江戸の岡っ引きが数々の難事件に挑む「半七捕物帳」などを書いた劇作家岡本綺堂(きどう)(1872~1939年)の没後80年と、綺堂の養子で勝央町出身の編集者経一(きょういち)さん(1909~2010年)の生誕110年を記念した企画展が勝央美術文学館(岡山県勝央町勝間田)で開かれている。16日まで。

 綺堂は、名探偵シャーロック・ホームズのシリーズから着想を得て半七捕物帳を執筆。後に横溝正史にも影響を与え、日本の探偵小説の先駆けともされる。経一さんは綺堂の書生を務めた後、養子になり出版社「青蛙房(せいあぼう)」(東京)を立ち上げ、綺堂の著作などを多く刊行した。江戸時代風俗研究書の出版活動で菊池寛賞も受賞した。

 「半七とホームズ」と題した企画展では岡本父子の経歴や、綺堂がホームズシリーズにどう影響を受けたかを解説したパネルなど約70点を展示。原稿用紙にびっしりと手書きされた半七捕物帳の草稿、経一さんが出版した半七捕物帳の初版本、綺堂から贈られた懐中時計などが並んでいる。

 今回の企画展では、ホームズシリーズの翻訳を手掛けた作州地域出身者にもスポットを当てている。阿部知二(1903~73年)=美作市出身=と延原謙(1892~1977年)=津山市出身=の翻訳の特徴を比べた解説パネル、主にテレビドラマを手掛けた額田やえ子さん(1927~2002年)=勝央町出身=の台本もある。

 野村英子学芸員は「綺堂は日本の探偵小説の源流をつくり、経一さんはそれを受け継いだ。ホームズシリーズを翻訳した3人を含め、日本の探偵小説人気を支えた作州地域ゆかりの人が多くいたことを知ってほしい」と話している。

 問い合わせは同館(0868―38―0270)。

(2019年06月12日 16時06分 更新)

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