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倉敷出身テニス選手 原田武一に光 10日から倉敷物語館で特別展

原田武一氏
原田武一氏
歴戦の証しとなるユニホーム
歴戦の証しとなるユニホーム
使い込まれたトランクケース
使い込まれたトランクケース
パリ五輪時とみられる国旗のワッペン
パリ五輪時とみられる国旗のワッペン
 倉敷市酒津地区出身のテニスプレーヤー原田武一(1899~1978年)を知っているだろうか。24年パリ五輪男子シングルスで8強入りするなど、大正から昭和期にかけて活躍した名選手だ。その生涯に光を当てる特別展が10日から、倉敷物語館(同市阿知)で開かれる。展示される遺品類を通して、原田の功績をたどる。

 パリ五輪のほか、四大大会の全英オープンで2度、全米、全仏でもそれぞれ3回戦に進出し、全豪出場も果たした原田。展示予定の遺品約30点の中で、象徴的なのが所々に泥染みが残る布製のユニホームだ。慶応大進学後の23年に日本一に輝き、米ハーバード大留学以降、国別対抗戦のデビス杯などで世界トップクラスと激戦を交わした跡が染み込んでいるようだ。襟首のタグも面白い。「三越大阪」とあり、市販品でなく、百貨店であつらえていたのが分かる。

 現代ではあまり見かけないのが縦60センチ、横85センチ、奥行き55センチと巨大なトランクケース。長い船旅を支えていたのか、使い込まれた雰囲気が当時の遠征の様子を想起させる。

 スクラップブックには、パリ五輪時に使ったとみられるワッペンが旭日旗だったり、日独で交流試合を行った記録集にヒトラーの名前があったりと、時代を物語る資料が興味深い。ハーバード大留学時代に取り上げられた現地の新聞記事などからは、世界ランキング7位にも入った日本人の活躍が物珍しかった世界の世相もうかがえるようだ。

 現役を終え、44年に倉敷へ帰郷した原田は戦後、県教育委員長など要職を歴任した。62年岡山国体で、聖火ランナーの最終走者を務めた写真が残るように、まさに岡山スポーツ界の礎を築いた1人の姿が浮かび上がる。

 2020年東京五輪・パラリンピックを来年に控える。郷土の偉人に思いをはせ、気持ちを盛り上げてみるのはどうだろう。

 ◇

 特別展は30日まで。午前9時~午後7時。入場無料。問い合わせは倉敷物語館(086―435―1277)。

(2019年06月08日 12時04分 更新)

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