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倉敷の老舗書店 時代に合わせ刷新 愛文社、訪日客も視野に品ぞろえ

リニューアルオープンした愛文社書店
リニューアルオープンした愛文社書店
和を感じさせるしおりなど外国人向けの商品を充実させた店内
和を感じさせるしおりなど外国人向けの商品を充実させた店内
倉敷の老舗書店 時代に合わせ刷新 愛文社、訪日客も視野に品ぞろえ
 JR倉敷駅前の商店街にある老舗書店・愛文社書店(倉敷市阿知)がリニューアルオープンした。岡山県内最大の観光地・美観地区を訪れる外国人観光客の増加に合わせて洋書や和文化の小物などを充実、飲食店も併設した。インターネット販売や活字離れで「町の本屋」が姿を消していく中、生き残りを懸けて新たな一歩を踏み出した。

 同書店は1868(明治元)年創業。美観地区北の阿知町東部商店街で営業している。江戸中期建造など2棟の建物を店舗として使っており、リニューアルに際しても瓦や柱、はりをできるだけ残して改築。内装に木を多用するなどし、改装前以上に古民家の趣を感じさせる店に仕上げた。

 総工費は約1億300万円で、中小企業庁が地域のにぎわい創出事業をサポートする「地域文化資源活用空間創出事業」の補助金を活用。4月下旬にオープンした。

 従来は書籍販売だけだったが、活字離れが進む中で「本を売るためには、まず店に立ち寄ってもらう工夫が必要」と取り扱う商品を拡充。美観地区を訪れる外国人観光客をターゲットにした、扇子型のしおりや和風のブックカバーといった雑貨類のほか、日本を紹介した洋書や英訳した絵本なども置いている。

 住宅として使っていた奥側の建物には、ランチやお酒が楽しめる飲食店「ICHI」が入居し、客層の広がりも狙う。

 岡晃会長は「書店としての形を残しながら、これからも時代に合った新しいスタイルを模索していきたい」と話す。

■ 姿消す「町の本屋」


 日本書店商業組合連合会(東京)によると、同連合会の構成団体の岡山県書店商業組合に加盟する書店は今年4月現在で61店。ピーク時とみられる1985年(238店)の4分の1に減っている。

 同連合会は、長期的な活字離れ傾向に加え、「インターネット販売の広がりや雑誌の売り上げ不振などで、書店を取り巻く環境は厳しさを増している」と分析。「経営者の感性を生かしたオリジナリティーのある品ぞろえや環境を整え、消費者が足を運びたくなるような店づくりが必要だろう」と指摘する。

(2019年05月27日 18時18分 更新)

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