山陽新聞デジタル|さんデジ

十坪住宅の歴史 手記や写真で紹介 瀬戸内市民図書館で企画展

長島愛生園に建てられた「十坪住宅」を紹介する企画展
長島愛生園に建てられた「十坪住宅」を紹介する企画展
 国立ハンセン病療養所・長島愛生園(瀬戸内市邑久町虫明)でかつて患者隔離の受け皿となった「十坪(とつぼ)住宅」をテーマにした企画展が、瀬戸内市民図書館(同市邑久町尾張)で開かれている。地域から患者を排除する「無らい県運動」が本格化した昭和初期以降、愛生園に150棟ほど建てられた経緯などを紹介している。19日まで。

 無らい県運動が進められる中、定員超過で不足した住宅を補うために建てられた十坪住宅は、名前の通り10坪(33平方メートル)ほどの小さな住宅。建設費は全て国民の寄付で賄われた。

 会場にはパネル9枚が掲示されており、「国」「立案者」「設計者」「寄付者」「隔離される人々」「入所者」の立場を、それぞれの手記や写真などで紹介。「安住の地を与えよ」(国)や「気の毒な人」(寄付者)といった言葉からは同情や哀れみからの「救らい思想」が強くにじんでおり、訪れた人たちが自問するように見入っている。

 瀬戸内市は9日、地元のNPO法人が取り組む療養所の世界遺産登録運動を後押しするため、インターネットで寄付を募るクラウドファンディング(CF)型ふるさと納税を開始。その返礼品の一つで、入所者と市民が共に制作した十坪住宅がモチーフの陶製貯金箱(幅18センチ、奥行き11センチ、高さ15センチ)なども並んでいる。

 ハンセン病問題に対する正しい理解を深めてもらおうと、瀬戸内市人権啓発室が企画した。開館時間は午前10時~午後6時(木・金曜は同7時まで)。

(2019年05月15日 10時55分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ