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ベネチア国際美術展 内覧会始まる 岡山出身・下道さん映像作品展開

下道さんの映像などを展開する日本館の展示。内覧初日から多くの人でにぎわった
下道さんの映像などを展開する日本館の展示。内覧初日から多くの人でにぎわった
レセプションで日本館の展示を説明するメンバー(左から服部さん、能作さん、石倉さん、安野さん、下道さん)
レセプションで日本館の展示を説明するメンバー(左から服部さん、能作さん、石倉さん、安野さん、下道さん)
 2年に1度、イタリアで開かれる現代美術の祭典「第58回ベネチア・ビエンナーレ国際美術展」の関係者向け内覧会が8日、11日の開幕を前に3日間の日程で始まった。岡山市出身の美術家下道基行さん(40)=愛知県=らが手掛けた日本館でもレセプションがあり、人間と自然の共存を考える壮大なインスタレーションが披露された。

 約90カ国が参加した「国別部門」に出展する日本館は「Cosmo―Eggs/宇宙の卵」をテーマに、キュレーターを服部浩之・秋田公立美術大大学院准教授が務め、下道さんと作曲家の安野太郎さん、人類学者の石倉敏明さん、建築家の能作文徳さんの4人が協働した。

 ワンフロアの会場には、下道さんが沖縄などで撮影した、はるか昔の津波によって陸に現れ、子どもの遊び場や鳥のすみかとして暮らしに寄り添う「津波石」の映像が流れるスクリーンを四方に設置。中央にはバルーン状の黄色いソファがあり、鑑賞者が座るとチューブに空気が送られ、天井からぶら下がるリコーダーが音を奏でる。

 壁には人類誕生や天災にまつわる物語が記され、服部准教授は「人はどんな場所でどのように生きられるのかを考えた。4人の異なる才能が結集した空間を体験してほしい」とあいさつ。下道さんも「大舞台に興奮する。世界の人がどう反応するか楽しみ」と話した。

 開館直後から日本館には列ができ、美術関係者らが次々と入場。約30年前から毎回通っているというイタリア人美術収集家マリオ・ゴルニエさん(71)は「石の歴史を通じて自然について考えさせるパワフルな作品。空間も詩的でとても美しい」と見入っていた。

 一般公開は11月24日まで。

 ベネチア・ビエンナーレ国際美術展 イタリア北部・ベネチアを舞台に1895年から隔年で開催する世界最大規模の現代アート展。各国が構えたパビリオンに自国を代表するアーティストを送り込む「国別部門」がよく知られ、“美術のオリンピック”とも呼ばれる。日本は1952年から毎回参加する。

(2019年05月09日 22時56分 更新)

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