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悪性脳腫瘍で6月にも治験 岡山大発見のがん抑制遺伝子製剤

悪性神経膠腫の患者を対象にした治験について報告する(左から)公文、黒住、伊達の各氏
悪性神経膠腫の患者を対象にした治験について報告する(左から)公文、黒住、伊達の各氏
 岡山大は8日、悪性度の高い脳腫瘍の患者に、同大が発見したがん抑制遺伝子「REIC(レイク)」を用いた製剤を投与する治験を、6月にも岡山大病院(岡山市北区鹿田町)で始めると発表した。

 対象は年間2万人の新規患者がいるとされる脳腫瘍のうち、約2割を占める「悪性神経膠(こう)腫」の患者。手術後、放射線や抗がん剤治療を行っても再発するケースが多く、死亡率も高いという。

 治験は、再発した患者の腫瘍に、REIC製剤を2回に分けて直接注入する。12~18人を予定しており、濃度の異なる製剤を使う3グループごとに安全性や治療効果を調べる。現場の医師が主体となって検証する医師主導治験として進め、2020年秋に終える見込み。

 同大大学院脳神経外科学の伊達勲教授、黒住和彦准教授らが担当。公文裕巳・同大大学院特命教授が包括アドバイザーを務める。

 同大鹿田キャンパスで記者会見した黒住准教授は、これまでのマウス実験で治療の効果がみられたことを報告し、「悪性神経膠腫は有効な治療法がないのが現状。今回の治験が、新たな治療法の確立につながることを期待したい」と話した。

 REIC 2000年に岡山大が発見した遺伝子。がん細胞だけを自滅させるとともに、がんを攻撃する免疫の働きも活発にする。岡山大と大学発ベンチャー・桃太郎源(岡山市北区柳町)が、がん細胞への運び役となる「アデノウイルス」(風邪ウイルスの一つ)とREICを組み合わせた製剤(遺伝子治療薬)を開発し、現在は国内外で前立腺がん、悪性中皮腫、肝がんの患者への治験が進められている。

(2019年05月09日 07時29分 更新)

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