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多言語飛び交う瀬戸芸小豆島会場 36作品、気分はアジアリゾート

「福武ハウス」でインドネシアのアーティストの作品を楽しむ中国人グループ
「福武ハウス」でインドネシアのアーティストの作品を楽しむ中国人グループ
王文志さんの竹のドームの中でくつろぐ人たち。さまざまな言語が飛び交う
王文志さんの竹のドームの中でくつろぐ人たち。さまざまな言語が飛び交う
 岡山、香川両県の島々を主舞台にした瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)は、過去3回とも延べ約100万人を集客、今年は欧米メディアが「訪れるべき場所」に推薦するなど海外からの注目も高まる。初めて会期を重ねたゴールデンウイーク前半の4月28日、最多36作品を展示する小豆島へ新岡山港(岡山市)から渡った。

 午前8時すぎ、土庄港は活気に満ちていた。船が着くたび、リュックサックを背負った若者グループや家族連れが列をなし降りてくる。瀬戸芸の鑑賞パスポートを首にかけた人、ガイド本を手にする人もいる。日本語に交じって聞こえてくるのは、英語や中国語だ。

 「ここはどこの国? と思うときもありますよ」。棚田が広がる中山地区で、台湾の美術家王文志(ワンウェンチー)さんが組んだ竹の巨大ドームの受け付けをしていたボランティア女性(56)が笑う。中ではタイや香港の若者がくつろいでいる。台湾から友人と訪れた会社員(26)は「瀬戸芸は台湾でも有名。作品を探して歩くのは、冒険みたいでわくわくする」。寝転ぶと、竹の隙間から周辺の緑がのぞき、アジアのリゾートに来ているような気分になった。

 自転車をこぐ欧米人カップルを横目に車を走らせ、福田地区の「福武ハウス」へ。旧小学校舎にアジア各国の絵画や映像作品を展示する。運営を手伝う地元の男性(51)は「日本語の通じないお客さんは3割くらい」と小型翻訳機を取り出した。必要に迫られ用意したそうだ。

 実行委によると、ホームページを通じて販売した前売り鑑賞パスポートは英語、中国語版からが4割近くを占めたという。「ボランティアで関わる人も多く、外国人客は1割強だった前回(16年)よりぐっと増えそう」と北川フラム総合ディレクター。ハウスに併設するアジア食堂の、この日の定食は韓国風。豚肉のコチュジャン炒めをほおばりながら、瀬戸内の島々を世界へつなげたアートの力を実感した。

 瀬戸内国際芸術祭 3年に1度のアートの祭典で、4回目の今年は春(5月26日まで)、夏(7月19日~8月25日)、秋(9月28日~11月4日)の3会期計107日開催。会場は犬島、直島、豊島、小豆島など12の島と宇野、高松の2港。

(2019年05月02日 23時08分 更新)

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