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備前・八塔寺山の「行者堂」改修 20年ぶりに屋根をふき替え

屋根のふき替えなど改修された八塔寺山の行者堂
屋根のふき替えなど改修された八塔寺山の行者堂
行者堂内部に鎮座する「役小角」の木像
行者堂内部に鎮座する「役小角」の木像
備前・八塔寺山の「行者堂」改修 20年ぶりに屋根をふき替え
 備前市最北部にある八塔寺ふるさと村(同市吉永町加賀美)の運営協議会は、八塔寺山頂付近に立つ「行者堂」を改修した。約20年ぶりにかやぶき屋根をふき替えたほか、床板なども交換。同協議会は「平安時代以降、多くの修験者たちが修業に励んだ場所。その歴史を後世に伝えていきたい」としている。

 ふるさと村北部に位置する八塔寺は728(神亀5)年、聖武天皇の勅願により建立され、開基は弓削道鏡と伝わる。それ以降、八塔寺山(538メートル)や寺周辺では高野山(和歌山県)に匹敵する山岳仏教が栄え、鎌倉時代に最盛期を迎えたという。

 寺から北に500メートルほどの場所にそびえる岩壁の上に立つ行者堂は木造で幅、奥行きともに約2メートル、高さは約3メートル。内部には本尊である修験道の開祖・役小角(えんのおづぬ)の木像が鎮座する。今回の修復では屋根の全てをふき替えたほか、床や壁の一部を新しい板に替えた。事業費は約110万円で、市や市観光協会などの補助を受けた。

 詳細は不明だが、平安後期に高野山から地方を行脚した僧の一団「高野聖(こうやひじり)」らが休憩などのために建てたと伝わる。付近には岩壁をよじ登る際に用いたとみられる鉄鎖も残っている。

 建物全体が傷み、雨漏りがしていたことから、協議会が改修を決めた。松山正明会長は「厳しい信仰の世界に触れられる貴重な建物。近くには小豆島が望める展望所もあるので、八塔寺を訪れる際にはぜひ足を運んでほしい」と話している。

(2019年05月02日 16時46分 更新)

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