山陽新聞デジタル|さんデジ

豪雨浸水被害乗り越え田植え準備 真備の農家「再出発」の米作り

西日本豪雨で被害に遭った田んぼをトラクターで掘り起こす小野さん。決壊した高馬川の堤防を覆うブルーシートと土のうを背に、米作りを再出発させた=倉敷市真備町箭田
西日本豪雨で被害に遭った田んぼをトラクターで掘り起こす小野さん。決壊した高馬川の堤防を覆うブルーシートと土のうを背に、米作りを再出発させた=倉敷市真備町箭田
 トラクターがエンジン音をうならせながら進み、乾いた田んぼを掘り返していく。後には湿り気を帯びた土が現れ、土の匂いが広がる。春耕の季節を迎え、昨夏の西日本豪雨で甚大な浸水被害を受けた倉敷市真備町地区でも、田植えの準備が始まった。

 小田川とその支流・高馬川、末政川、真谷川の計8カ所で堤防が決壊した真備町。町内の水田は大半の330ヘクタールが冠水し、農機具も水に漬かって多くが使えなくなった。

 高馬川の堤防決壊箇所そばに自宅と田んぼがある小野貞子さん(71)=同町地区=は豪雨当時、町外の長女宅に避難して無事だったが、自宅は水没。田んぼは泥で覆われ、流されてきた車や家具が散乱し、30センチほどに育っていた稲は全滅した。

 もう一度、米作りができるだろうか―。高齢となった生産者の中には諦めた人もいる。町外の仮設住宅から通う小野さんも不安を抱えていたが、市による水田への土入れを終え、公的な資金援助を受けてトラクターの買い替えができ、父親から受け継いだ田んぼを守る気持ちが固まった。

 「再出発はいろんな人の支えがあったからこそ。感謝の気持ちを忘れず、一歩ずつ前に進んでいきたい」と小野さん。秋に黄金色の稲穂が輝く田んぼをイメージしながら作業に励む。

(2019年04月18日 23時20分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ