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国吉康雄生誕130年で特別展 20日から岡山シティミュージアム

国吉康雄
国吉康雄
特別展の会場構成などを話し合う才士准教授(右から2人目)と学生たち
特別展の会場構成などを話し合う才士准教授(右から2人目)と学生たち
 17歳で海を渡り、米国を代表する画家になった岡山市出身の国吉康雄(1889~1953年)の生誕130年を記念した特別展が、20日から岡山市北区駅元町の岡山シティミュージアムで開かれる。企画するのは、岡山大の国吉研究講座の学生たち。戦争や人種差別に向き合った画家を現代の視点で捉え直そうと、香川県・直島ゆかりの現代アートを交えて紹介する。

 講座は福武教育文化振興財団(岡山市)と福武財団(香川県直島町)の寄付で、岡山大が2015年設置。国吉作品と資料をそろえる福武コレクションを活用し、鑑賞教育や画材研究、音楽舞台劇の上演などで国吉の顕彰に取り組んできた。

 研究発表の場でもある特別展は、才士真司准教授と受講生約20人が昨春から準備する。生誕地の岡山市・出石町や作品を展示する直島のベネッセハウスミュージアムを取材する中で、注目したのは福武財団の福武總一郎理事長が「国吉がベネッセアートサイト直島の原点」とする点だ。

 戦時中に敵性外国人として監視された国吉は戦後、組合をつくり芸術家の地位向上に努めるなど社会の不条理にあらがった。煙害や産業廃棄物の不法投棄など、経済成長のつけを負わされた島々を再興させるアートプロジェクトは「社会の課題に向き合う姿勢に近いものを感じる」と同大文学部4年の女子学生(21)は言う。

 展示では国吉の油彩・カゼイン画約40点と初公開の画帳などで画業を紹介した上で、直島で古民家を再生する家プロジェクトを手掛けた宮島達男さんや内藤礼さんらのデッサン、立体などを見せる。学生たちは解説パネルを作り、会期中に開くカゼイン画体験などのワークショップも考案。会場で案内役も務める。

 才士准教授は「国吉と直島、どちらにも社会への尽きない問いが込められている。学生たちと一緒に鑑賞者にも考えてもらえたら」と話す。

 特別展「Mr.Ace X―O.Modern(ミスターエース クロスオーバーモダン)」は5月19日まで。平日午後1~5時、土、日曜日、祝日は午前10時~午後8時開館。4月22日、5月7、13日休館。

(2019年04月17日 17時48分 更新)

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