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外国人受け入れ拡大 県内は様子見 指針や計画策定 岡山など3市のみ

ベトナムへの市民の理解促進を狙いに、総社市が初めて開いた講演会「ベトナミーティング」=2月、同市
ベトナムへの市民の理解促進を狙いに、総社市が初めて開いた講演会「ベトナミーティング」=2月、同市
 改正入管難民法の施行(4月)に伴い、外国人労働者の受け入れを拡大する新制度の開始を控え、多文化の共生に向けて国が要請している独自の指針や計画を策定している岡山県内の自治体は、岡山、美作、真庭の3市にとどまることが19日、県と全27市町村への取材で分かった。在住外国人を支援する専門部署を設けているのも総社市だけで、多くの自治体が様子見の段階にある。

 総務省は外国人住民の増加を踏まえ2006年、国籍や民族などが異なる人々が地域の一員として支え合う「多文化共生社会」の実現に向け、全国の自治体に施策推進のための指針・計画の策定や担当部署の設置を促した。

指針・計画



 指針・計画を策定し、施策を展開しているのは岡山、美作市。岡山市は08年に作った「多文化共生社会推進プラン」に基づき、行政情報の多言語化や市国際交流協議会と連携した日本語教室などを実施。美作市は11年に「国際化推進指針」を作り、市在住外国人で最も多いベトナム人向けの防災ハンドブック作成・配布や交流に取り組んでいる。

 真庭市も08年に「国際化推進指針」を作ったが、当時は行っていた国際交流事業がなくなるなど、積極的な施策展開には至っていないのが実情だ。

 指針や計画を未策定の自治体の多くは、理由について「外国人住民が少なく、必要性を感じていない」「義務化されていないから」などと説明する。ただ、施策を網羅した総合計画に多文化共生を掲げ、事業などを盛り込んでいるケースはあり、総社市では計画の策定段階から外国人住民の意見も取り入れている。

専門部署



 総社市は09年4月、外国人住民の生活全般を支援する国際・交流推進係を人権・まちづくり課内に設置。今年2月には市民がベトナムについて学ぶ講演会「ベトナミーティング」を初めて開いた。県と岡山市も19年度、外国人への情報提供や相談に、一元的に応じる窓口を設ける。

 大半の自治体は、現時点で専門部署を設置する必要性までは感じておらず、美作市は「個々のニーズは異なるため、各部署で対応している」、玉野市は「外国人を雇用する地元企業の支援もあり、特段の要望は届いていない」と説明。一方で「財源も職員数も少なく、新たに部署を設ける余裕はない」(ある町の担当者)との声もある。

 県内の外国人は17年末に2万5944人となり、2年連続で過去最高を更新。県人口の1%余りを占める。さらなる増加が見込まれる新制度は、今月15日になって関連の法規定が整備されたものの、まだ情報不足を指摘する声は少なくない。自治体の多くは国の動向を見据えつつ、多文化共生社会の在り方を模索することになりそうだ。

(2019年03月19日 22時49分 更新)

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