山陽新聞デジタル|さんデジ

震災8年「福島の今を伝える」 岡山の音楽グループなどが冊子

冊子「福島の今を伝える」を手にするシルバートーンのメンバー
冊子「福島の今を伝える」を手にするシルバートーンのメンバー
岡山の音楽グループなどが発行した冊子「福島の今を伝える」
岡山の音楽グループなどが発行した冊子「福島の今を伝える」
 東日本大震災と原発事故で被災した福島県から岡山県に移住してきた人たちの思いや、復興に向けた有志の活動を紹介した冊子「福島の今を伝える」が作られた。発行したのは、被災地支援に取り組む岡山の音楽グループと福島のNPO法人。11日で発生から8年を迎える震災を風化させないよう、両県の絆をより強めていきたいとの願いを込めている。

 

■もっと福島に関心を



 本山寺(岡山県美咲町)の僧侶で和太鼓演奏や講話を通じ、被災地支援を呼び掛けている泉智仁さん、避難者を支える一般社団法人「ほっと岡山」(岡山市)の菅野久美子事務局長ら福島から避難してきた5人のインタビューを掲載した。

 それぞれ震災からこれまでの歩みを振り返り、「福島との接点がなくなったら、(避難者は)帰還の検討すらできなくなる」「もっと福島に関心を持つ人を、岡山でも増やしていきたい」「大切なのはどう生きるか。全部失ってしまってからのことを話すことで、勇気や希望を与えられればいい」と語っている。

 ほかにも、無農薬栽培の農産物を福島の子育て家庭などに届けている「寿朗の郷玉島農園」(倉敷市)や、福島と全国の支援者をつなぐ活動をしているNPO法人「シャローム」(福島市)といった5団体も紹介している。

 

■絆がちゃんとある



 冊子は岡山県内の20~30代8人でつくるボーカルユニット「SILVER TONE(シルバートーン)」とシャロームが連携して発行した。シャロームは障害者支援事業としてヒマワリの種からオイルを搾って販売してきたが、原発事故で栽培を断念。震災翌年から全国に栽培と種の提供を呼び掛ける「ひまわりプロジェクト」が始まり、シルバートーンも協力してきた。その“絆”により、昨年の西日本豪雨の際には、福島からいち早く救援物資が送られてきたという。

 <♪僕にだってまだできることがある 離れててもそばにいるって 絆がちゃんとあるんだ>

 シルバートーンは3日、倉敷市内でライブを開催。被災地に思いを寄せた「ひまわりの花束を」や福島、宮城県の子供たちと岡山の学生らの言葉をつづって歌詞にした「バトン~君とつないだ絆」などのオリジナル曲を歌い、会場で冊子を配った。

 メンバーの小杉みゆきさん=倉敷市=は「震災が風化しつつあるように感じますが、まだ何も終わっていません。この冊子を読んで、福島の今に触れてください」と言い、代表の西山範彦さん=同市=は「どの災害も人ごとではない。被災地を思う声をより多くの人に届けたい」と話している。

 し  
 冊子は福島県の避難者帰還支援事業に採択され、5千部発行。B5判、18ページ。ライターの石津圭子さん=岡山市=が執筆した。シルバートーンのライブや岡山県内の飲食店などで無料配布する。問い合わせは西山さん(090―2867―8335、tacttacttact1118@gmail.com)

(2019年03月10日 07時25分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ