山陽新聞デジタル|さんデジ

瀬戸内市「山鳥毛」4月にも購入 不足分4.3億円は基金取り崩し

岡山県立博物館で公開された国宝の備前刀「太刀 無銘一文字(山鳥毛)」=2017年5月
岡山県立博物館で公開された国宝の備前刀「太刀 無銘一文字(山鳥毛)」=2017年5月
 国宝の備前刀「太刀 無銘一文字(山鳥毛=さんちょうもう)」の購入資金の調達に取り組んできた瀬戸内市が、岡山県内の個人所有者と4月にも売買契約を結ぶ方針を固めたことが13日、分かった。太刀の購入費と施設整備費計6億円の財源には、ふるさと納税で寄せられた資金を充てるが、不足する約4億3千万円は市の貯金に当たる財政調整基金を取り崩して対応する。

 武久顕也市長が市議会全員協議会で表明した。20日開会の2月定例市議会に補正予算案など関連3議案を提案。可決されれば、市が悲願としてきた国宝の「里帰り」が実現する。

 市は昨年11月、インターネットを活用したクラウドファンディング(CF)型や企業版のふるさと納税などによる資金調達に着手し、1月末現在で約2億5400万円が寄せられている。返礼品などの経費を除き、充当できるのは約1億7千万円にとどまるが、所有者が早期の判断を望んでいることなどから、購入に踏み切る。

 市は、公費を投入する不足分を穴埋めするため、今年3月末を期限としていたふるさと納税の受け付けを1年間延長する。武久市長は「山鳥毛を手にする唯一無二の機会。公費の投入を避けられるよう、今後も理解と協力を呼び掛けていきたい」としている。

 山鳥毛 瀬戸内市を拠点とした備前刀の大流派・福岡一文字派の最高傑作と評される鎌倉時代中期の名刀で、戦国武将上杉謙信も愛用した。刃長79・5センチで、山鳥の羽毛を連想させる変化に富んだ刃文が特徴。1952年に国宝指定され、97年から岡山県立博物館が寄託を受けている。県内の個人所有者が2018年、瀬戸内市に5億円での売却を打診。市は里帰りプロジェクトを立ち上げ、購入資金の調達を進めている。

(2019年02月13日 14時31分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ