山陽新聞デジタル|さんデジ

県内酒造会社「蔵開き」シーズン ファン獲得へ限定酒や飲み比べ

蔵開き用に瓶詰めされた新酒=熊屋酒造
蔵開き用に瓶詰めされた新酒=熊屋酒造
県内酒造会社「蔵開き」シーズン ファン獲得へ限定酒や飲み比べ
 酒の仕込みが一段落した酒造会社が酒蔵を開放し、新酒をアピールする「蔵開き」の季節が到来した。岡山県内では10日の熊屋酒造(倉敷市)を皮切りに4月下旬まで続く。日本酒の消費量が減少傾向にある中、各社は新たなファン獲得につなげようと限定商品の販売や飲み比べのほか、酒蔵見学、コンサートといったイベントを計画している。

 熊屋酒造は、地元NPO法人が栽培した朝日米100%の純米吟醸酒「郷内」を500本限定で売り出す。初めて販売した昨年は用意した約300本が午前中に完売するほど好評だったため、今季は仕込む量を増やした。

 主力銘柄「伊七(いしち)」の大吟醸酒など8種類を飲み比べできる有料試飲も行う。蔵開きは今年で8回目となるが、近年は若い女性や県外客が目立つといい、庵谷晴男社長は「幅広い消費者に当社のさまざまな商品をアピールできる貴重な機会になっている」と強調する。

 「酒造りの現場や日本酒への理解を一層深めてもらえたら」と期待するのは3月2、3日に開催する宮下酒造(岡山市)。本社敷地内に観光施設「酒工房独歩館(どっぽかん)」を整備したのに合わせ、自社商品や酒文化を広く発信しようと初めて企画した。酒造好適米・山田錦の大吟醸生原酒や雄町の純米吟醸生原酒を料理とともに提供し、酒蔵見学も予定している。

 3月24日の赤磐酒造(赤磐市)は幅広い世代に楽しんでもらおうと、地元の愛好家によるコンサートも計画。4月20、21日の辻本店(真庭市)は酒が苦手な人にも飲みやすいという日本酒のカクテルを用意する。丸本酒造(浅口市)は2月24日のイベント当日まで種類や原料などを明かさない特別酒を準備している。

 蔵開きはかつて、取引のある卸業者などを招くことが多かった。しかし、近年は消費者に直接商品を紹介できる機会として催す酒造会社が増加。こうした各社の取り組みを県備中県民局も後押しし、今年初めて管内の酒蔵を巡ると地酒セット(最高1万円相当)などが当たるスタンプラリーを5月10日まで開催している。

 県酒造組合(岡山市)の佐々木崇光専務理事は「この時季にしか楽しめないという“限定感”が消費者に喜ばれているようだ。複数の蔵を巡るファンも増えており、岡山の地酒の知名度アップにつながれば」と話している。

(2019年02月09日 03時32分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ