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「空き家、どうしようか」。そん…

 「空き家、どうしようか」。そんな悩みを抱える人は少なくないだろう。岡山県内の空き家はデータのある2013年で約14万戸。過去20年で倍以上になり、さらに増加中とみられる▼そんな空き家の活用策の一つが、3日付の本紙全県版で紹介されていた。築80年を超す古民家がNPOなどの活動拠点として活用されることになり、「博士の家」と命名されたという▼JR岡山駅から1キロ余りの住宅街にある。重厚な玄関扉、丸い窓が印象的な邸宅だ。開所式にうかがうと、「博士」こと津田誠次さんの写真が迎えてくれた。かつての家のあるじで、岡山大病院長や岡山労災病院長を務めた▼相続したのは孫の稲田健一さん(60)で、いまは自宅も職場も愛知県にある。自身も子ども時代を過ごした家で愛着があるが、解体するしかないと思っていた。しかし、直前になって活用策はないかと岡山の友人に相談。NPO法人おかやま入居支援センター(岡山市)を紹介され、管理運営を託すことになった▼耐震補強や改修の費用は稲田さんが負担した。古里の活性化に役立てれば、との思いからという。思いを持つ人と人がつながれば、空き家も地域の「資源」になり得る▼家は使われなくなると急速に劣化するという。約40人が集った「博士の家」には笑顔があふれた。家も笑っているようだった。

(2019年02月05日 23時00分 更新)

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