山陽新聞デジタル|さんデジ

王子が岳をボルダリング“聖地”に 玉野市、東京五輪機にPR強化

王子が岳でボルダリングを楽しむ山本副会長(右)ら愛好者たち
王子が岳でボルダリングを楽しむ山本副会長(右)ら愛好者たち
 2020年東京五輪の正式種目として実施される「スポーツクライミング」に注目が集まる中、玉野、倉敷市にまたがる王子が岳(標高234メートル)は、種目の一つ・ボルダリングで国内の草分け的な山として知られている。地元では、五輪を機に“聖地”に光が当たることに期待が高まっている。

 瀬戸内海に面し、山肌のあちこちに大きな岩が露出する王子が岳。切り立った岩壁を登ると、眼下に青い海、緑に覆われた山々を一望できる。「朝から夢中で岩に登った後、海に沈む夕日をただぼんやり眺めるひとときは何より素晴らしい」。岡山県山岳・スポーツクライミング連盟の山本譲副会長(63)が魅力を語る。

 海外からも

 ボルダリングは命綱を使わずに高さ3~5メートルの岩や壁を登る。突起物を付けた屋内の人工壁を登るイメージが強いが、元来は自然の中で「外岩」の攻略に挑むスポーツだ。

 山本副会長が登山仲間と王子が岳でボルダリングを始めたのは1975年。日本フリークライミング協会によると、その歴史は国内屈指。これまでに開拓した岩場は約150カ所に上り、今では海外も含め多くの愛好者が訪れる。

 都市部に近く、比較的手軽に楽しめることも王子が岳の魅力だ。1歳の長女を連れ、夫婦で月2回ほど登る会社員男性(43)=倉敷市=は「山頂に駐車場があり、岩場も遊歩道から近くベビーカーを押して行ける。子どもが泣きだしても自然の中なので、交代であやしながら共通の趣味を楽しんでいる」と笑顔を見せる。

 マップ作成

 週末には多くの愛好者でにぎわう王子が岳を、玉野市はボルダリングの聖地として売り出したい考え。18年度は岩場の登り方や難易度を写真付きで紹介したA3判のマップを作成し、市ホームページでも公開した。市商工観光課は「東京五輪に向けて愛好者の拡大につながるような取り組みを考えていきたい」とする。

 ボルダリングのベストシーズンは、手に汗をかく量が少ない冬季。山本副会長は「普段、屋内で楽しんでいる人も今冬は王子が岳の『外岩』に繰り出し、瀬戸内海の自然に触れて開放的な気分を満喫してほしい」と呼び掛ける。

 スポーツクライミング ホールドと呼ばれる突起物が設置された壁をよじ登る競技。転落防止のロープを身に着けずに複数の課題(コース)を完登できた数で争う「ボルダリング」、ロープで安全を確保しながら到達高度を比べる「リード」、15メートルの壁を登る速さを競う「スピード」がある。東京五輪では3種目の複合種目として実施される。

(2019年02月04日 01時02分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ