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瀬戸内国際芸術祭と岡山芸術交流 2019年はアート楽しもう

岡山市・犬島で昨秋公開された「家プロジェクト」の新作。今年の瀬戸芸の参加作品だ
岡山市・犬島で昨秋公開された「家プロジェクト」の新作。今年の瀬戸芸の参加作品だ
瀬戸内国際芸術祭のメインビジュアル。岡山市出身のグラフィックデザイナー原研哉さんらが制作した
瀬戸内国際芸術祭のメインビジュアル。岡山市出身のグラフィックデザイナー原研哉さんらが制作した
「岡山芸術交流」のポスター。OKのロゴマークはイギリスを代表するグラフィックデザイナーのピーター・サヴィル氏が手掛けた
「岡山芸術交流」のポスター。OKのロゴマークはイギリスを代表するグラフィックデザイナーのピーター・サヴィル氏が手掛けた
岡山芸術交流の参加作家によるトークイベント。岡山の街の印象や制作への意気込みを語った=昨年12月、岡山市
岡山芸術交流の参加作家によるトークイベント。岡山の街の印象や制作への意気込みを語った=昨年12月、岡山市
 今年、岡山県内では地域を舞台にした二つの大型現代アート展が開かれる。岡山と香川の島や港を会場に毎回延べ100万人近くを動員してきた「瀬戸内国際芸術祭」(瀬戸芸、香川県などでつくる実行委主催)と、岡山市中心部で2016年にスタートした「岡山芸術交流」(芸術交流、岡山市などでつくる実行委主催)だ。いずれも3年に1度の開催で、4回目と2回目。昨年末、岡山市内で概要説明会や参加作家によるトークイベントが相次いで開かれ、主催者らが魅力をPRした。

 まず、春会期(4月26日~5月26日)が開幕するのは瀬戸芸だ。会場は前回と同じく直島や豊島、小豆島など12の島と高松港、宇野港周辺。岡山市・犬島では昨秋、ブラジルを代表する美術家ベアトリス・ミリャーゼスの新作が「家プロジェクト」にお目見えするなど、準備は着々と進んでいる。

 11月末の概要説明会では、現時点で30の国と地域から184組のアーティストが参加、191作品の展示計画が示された。

 注目は、豊島で共同制作するベルリン在住の美術家塩田千春と、初参加の建築家田根剛だろう。場所は塩田が2010年に制作した、木製の建具600枚を用いたトンネル状の立体作品「遠い記憶」のあった甲生地区。詳細は明かされなかったが、東京五輪の新国立競技場を巡る基本構想デザインで最終選考に残った気鋭とのコラボレーションには期待が膨らむ。

 女木島では、昨年開いた東京・森美術館の個展が61万人を集めた人気美術家レアンドロ・エルリッヒ、一昨年の大原美術館・有隣荘で幻想的な世界を見せた宮永愛子らが「小さな店」をテーマにプロジェクトを展開。初参加の美術家遠藤利克は水をモチーフにした作品を男木島で披露する。

 このほか、伊吹島にインドネシア、粟島にベトナムの作家を招き、経済成長と文化との関係を考えるフォーラムなどアジアとの連携は一層強化。ハンセン病をテーマにした公演など芝居や舞踏といったパフォーマンスにも力を入れるという。

 夏(7月19日~8月25日)、秋(9月28日~11月4日)と計107日間。金代健次郎・芸術祭実行委員会事務局次長は「アートの力で瀬戸内海の島を活気づけたい。都会では味わえない特別な体験を提供していく」と話している。

◆ ◆ ◆

 「岡山芸術交流」は9月27日~11月24日の51日間、瀬戸芸の秋会期と重ねて開く。作品は県天神山文化プラザ、県立美術館、旧内山下小学校、岡山城など文化施設が約1キロ四方に集中する岡山カルチャーゾーン内に展示。船で島々を巡る瀬戸芸と異なり、街を歩いてアート鑑賞を楽しむ都市型イベントだ。

 アーティスティック・ディレクターを務めるフランスの美術家ピエール・ユイグさんによると、欧米で活動する作家を中心に15~20人が参加予定。

 会場視察も始まっており、昨年12月には、来岡した4作家が岡山市内でトークイベントを行った。「1つの通りを歩いただけでも、さまざまな時代の名残が見て取れる」「地元の人が参加する映像作品を作りたい」などと口々に語り、岡山の街に刺激を受けた様子。

 ユイグさんからは「アートは鑑賞するものという概念を取り払えないかと思案している」と大胆な発言も飛び出した。全体の構成は検討中としながらも「新しい試みをする上で岡山の規模はちょうど良い」と期待を抱かせた。

 作品の一部を先行公開するプレイベントも始まっている。米国の自由の女神像の一部を型取りしたベトナム出身の美術家ヤン・ヴォーのオブジェ、米国の美術家ダン・グラハムによる障子を連想させる格子状の造形などを、林原美術館や岡山神社など市内6カ所に展示。無料で鑑賞を楽しめる。

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瀬戸内国際芸術祭・カルチャープラザで2月から講座

 山陽新聞カルチャープラザは、岡山市北区柳町の本部教室で2月から講座「瀬戸内国際芸術祭2019に行こう!」を全3回開く。

 芸術祭実行委のスタッフが講師を務め、各島の見どころや新作アートを解説する。現地のグルメスポット、効率的な巡り方も紹介。

 2月5日、3月5日、4月2日開講。受講料は3シーズンパスポート込みで1万2千円。問い合わせ、申し込みは同プラザ(086―803―8017)。


サポートスタッフ募集・岡山芸術交流実行委

 岡山芸術交流実行委は、会場の受け付けや作品解説などを担当するサポートスタッフを募集している。

 原則高校生以上(18歳未満は保護者の同意が必要)で、会期前に「アートナビゲーター養成講座」「実務講座」といった研修会に参加できる人。会期中は主催者がボランティア活動保険料を負担、半日で500円相当のクオカードを支給する。

 問い合わせはサポートスタッフ事務局(050―3590―9196)。

(2019年01月10日 05時40分 更新)

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