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チェーン義務化に歓迎と戸惑い 大雪時の米子道湯原―江府IC間

大雪時のチェーン装着が義務化された米子自動車道湯原IC-江府ICの蒜山高原SA付近
大雪時のチェーン装着が義務化された米子自動車道湯原IC-江府ICの蒜山高原SA付近
チェーン義務化に歓迎と戸惑い 大雪時の米子道湯原―江府IC間
 国土交通省は今冬、全国の高速道路や国道で大雪時にタイヤチェーン装着を義務付ける制度を導入した。全国13区間のうち、県境の米子自動車道湯原インターチェンジ(IC、真庭市禾津)―江府IC(鳥取県江府町)の33・3キロも対象となった。過去5年間に3件の立ち往生が発生していることなどが理由で、運送関係者はトラブル防止につながるとして歓迎する一方、一般ドライバーや観光業者からは新たな規制に戸惑いの声も聞かれる。

 同区間では、2013~17年度に起きた立ち往生のうち、17年1月のケースは急な坂道で発生。冬用タイヤ(スタッドレス)の大型トラックがスリップし約300台が滞留。通行止め解除まで約45時間を要した。

 米子自動車道を大型トラックで毎日利用する男性(54)は約2年前の経験を振り返り、「チェーン走行による時間の遅れよりも、物流が止まる方が怖い」と規制強化を好意的に受け止める。山陰方面への長距離バスを他社と共同運行する中鉄バス(岡山市北区中山下)も「安全運行の観点からも理解できる」とする。

 一般ドライバーらの反応は複雑だ。

 今月10日に対象区間が公表され1週間後の17日、蒜山高原サービスエリア(SA、真庭市蒜山西茅部)で休憩していた美咲町西幸の男性団体職員(42)は「規制自体を知らなかった。チェーンを持っていないし、着脱方法も分からない」と話す。岡山市に実家がある島根大4年の女性(22)も「着脱作業で渋滞や事故が起きないだろうか」と心配する。

 観光業者はチェーン購入や装着の手間から客が近隣施設に流れる可能性を指摘。ひるぜんベアバレースキー場(真庭市蒜山本茅部)を運営するグリーンピア蒜山の亀山秀雄支配人は、蒜山IC(同市蒜山西茅部)を利用して訪れる客への影響を懸念するほか、湯原町旅館協同組合(同市湯原温泉)の池田博昭組合長は「湯原が豪雪地域と勘違いされる恐れがあり、営業面ではマイナス」と顔を曇らせる。

 国交省が11月に行ったパブリックコメント(意見公募)では「規制前にスタッドレスタイヤの装着を義務化すべき」「全車両への規制に反対」といった反対意見が相次いだ。

 ただ、同省の調べでは、国道で15年度に雪のため立ち往生した車の75%は冬用タイヤで、このうち89%がチェーン未装着だった。

 米子自動車道を管理する西日本高速道路(大阪市)は27日、湯原IC―江府ICを規制区間に正式決定。今週、県内でも降雪が予想される中、SAやパーキングエリア(PA)に規制導入を知らせるポスターの掲示を始めた。同社は「大規模な立ち往生にならないよう、冬用タイヤの装着とチェーン携行をぜひお願いしたい」と呼び掛けている。

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 大雪時のタイヤチェーン装着義務化 近年の記録的大雪で長時間の立ち往生が多発していることを踏まえた措置。気象庁が特別警報や緊急発表を出すような異例の降雪時に、道路管理者と警察が規制区間の手前でチェーンを装着しているかどうかを確認する。違反すると道路法に基づき、6月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性がある。

(2018年12月27日 14時50分 更新)

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