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国宝備前刀、瀬戸内市が購入方針 提示額5億円、ふるさと納税活用

瀬戸内市が購入方針を表明した国宝の備前刀・山鳥毛=2017年5月、岡山県立博物館
瀬戸内市が購入方針を表明した国宝の備前刀・山鳥毛=2017年5月、岡山県立博物館
 瀬戸内市は23日、岡山県内の個人が所有する国宝の備前刀「太刀 無銘一文字(山鳥毛(さんちょうもう))」を購入する方針を明らかにした。所有者は5億円での売却を希望しており、同市はふるさと納税の活用による財源捻出を進め、年内にも譲渡契約への道筋を付けたい考えだ。

 山鳥毛は戦国武将上杉謙信の愛刀としても知られ、謙信ゆかりの新潟県上越市が2016年に購入を表明したが、金額面で難航。交渉は17年11月、白紙に戻った。現在は岡山県立博物館(岡山市)に寄託されている。

 瀬戸内市によると、18年1月に所有者から譲渡の打診があり、交渉を開始。「国宝の中でも最高峰の一つとされる刀剣を入手する唯一無二の機会」(同市)と判断し、23日に開かれた市議会総務文教委員会で取得の意向を表明。インターネットで寄付金を集めるクラウドファンディング(CF)型ふるさと納税などで資金を調達するとした。

 同市は山鳥毛の鑑定に関連する補正予算案を6月定例市議会に上程する予定。有識者による評価委員会を開き、提示額の妥当性などを協議した後、年内にもCFを開始。資金調達のめどが立ち、議会の同意を得て譲渡契約を結ぶ。武久顕也市長は「文化財は地域のアイデンティティー。山鳥毛を『生まれ故郷』で守り、後世に伝えていきたい」と話している。

 同市は古くから刀剣産地として知られ、公設唯一の博物館「備前長船刀剣博物館」があるが、所蔵する200点超の刀剣に国宝や国重要文化財はない。

 山鳥毛 瀬戸内市を拠点とした備前刀の大流派・福岡一文字派の最高傑作と評される鎌倉時代中期(13世紀)の名刀。刃長79・5センチで、山鳥の羽毛を連想させる変化に富んだ刃文が特徴。1952年に国宝指定され、97年から岡山県立博物館が寄託を受けている。

(2018年04月23日 23時10分 更新)

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