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鏡野にオオサンショウウオ交雑種 中国地方初確認、在来種の絶滅も

岡山県鏡野町で見つかったオオサンショウウオの交雑種(上)と在来種
岡山県鏡野町で見つかったオオサンショウウオの交雑種(上)と在来種
 岡山県教委は24日、国の特別天然記念物オオサンショウウオと中国原産の外来種チュウゴクオオサンショウウオの交雑種6匹が鏡野町の吉井川で見つかったと発表した。オオサンショウウオの交雑種の確認は中国地方で初めて。繁殖が進めば在来種が絶滅する恐れがあり、同町が今後、捕獲調査を重ね、交雑種を隔離する。

 県教委によると、チュウゴクオオサンショウウオは1970年代に食用などとして輸入された後、野生に放たれるなどして各地に広がったとみられる。交雑種は既に京都市や三重県名張市などで見つかっていた。外見での識別は難しいという。

 県教委は2016年9月、水中を浮遊する排せつ物などのDNAから生物の生息状況を推定する調査で、吉井川水系の一部にオオサンショウウオの交雑種か外来種が生息している可能性があるとの結果を得た。17年8~11月、奥津湖周辺の9地点で計28匹を捕獲してDNA鑑定を実施。同湖上流域の3地点で捕獲した計6匹が交雑種と判明した。

 6匹は体長42~77センチ、体重340~2810グラム。いずれもオオサンショウウオ、チュウゴクオオサンショウウオの孫世代に当たり、交雑種同士か、交雑種とオオサンショウウオの掛け合わせとみられる。オオサンショウウオの場合、体長77センチに達するには約50年を要するという。

 県教委文化財課は「残念な結果。在来種の保護のため対策を急ぎたい」、真庭市オオサンショウウオ保護センターは「全国各地で交雑種が見つかっている状況を見て恐れていたが、岡山県内でも現実となってしまった」とした。

 捕獲調査は18年度から、鏡野町が国、県の支援を受けながら取り組む。交雑種を隔離して飼育する施設も整備する。

 京都市が同市・鴨川水系で実施した調査では、全体の約9割が交雑種だったという。今回の調査に携わった川崎医療福祉大の益田芳樹特任教授(動物分類生態学)は「京都の状況ほどではないと考えているが、これ以上、県内での生息地や数を拡大させないためにも捕獲後、隔離することが重要だ」と話した。

 オオサンショウウオ 世界最大級の両生類で、日本の固有種。河川に生息して沢ガニや淡水魚を食べ、体長1メートル以上になる。岐阜県以西の本州と四国、九州の一部に分布しているとされ、国は1952年、特別天然記念物に指定した。岡山県内では旧湯原、川上、八束、中和の4町村(現真庭市)が国から生息地指定を受けており、同市では毎年8月、オオサンショウウオ(はんざき)を模したねぶたが練り歩く「はんざき祭り」が開かれる。

(2018年01月24日 14時30分 更新)

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