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水道管の耐震化 岡山にも迫る断水リスク

 能登半島地震はきょうで発生から1カ月となった。いまだに被災地の広い範囲で断水が続いており、復旧の見通しが4月以降とされる地域もある。長期化する断水が被災者の生活再建を一層厳しくしている。

 地震で水道管や浄水場などが壊れ、損傷箇所の特定も容易ではない。既に全国の自治体から水道局職員らが応援に入っているものの、道路の寸断や積雪の影響もあり、作業が難航しているという。

 断水は被災者が不自由な生活を強いられるだけではない。支援に入る自治体職員やボランティアらも活動拠点を被災地から離れた場所に置かざるを得ず、活動が制約される要因になっている。

 政府は先日取りまとめた被災者支援パッケージで、上下水道について直轄調査や技術者の増員派遣などを盛り込んだ。国がリーダーシップを発揮し、強力に早期復旧を後押ししてもらいたい。

 大規模な断水が起きたことについて、石川県の馳浩知事は「老朽化した配管など、耐震化の遅れがダメージの大きさに直結している」と述べている。

 厚生労働省によると、基幹的な水道管のうち、その場所で想定される最大規模の地震に耐えられる割合を示す「耐震適合率」は2021年度末時点で石川県は36・8%で、全国平均の41・2%を下回っている。

 耐震化の遅れはひとごとではない。都道府県別の耐震適合率をみると、岡山県は25・6%で、高知県(23・2%)に次いでワースト2位だ。広島県も35・8%にとどまる。大規模な地震が起きれば断水のリスクは大きく、危機感を持たねばならない。

 国内の水道設備は高度経済成長期の1960~70年代に整備が進んだ。水道管の法定耐用年数は40年で、2000年ごろから多くが更新期を迎えている。水道事業は市町村が水道料金を徴収し、運営している。特に人口減少で収入が減っている地方では財政が悪化し、更新が遅れている。

 岡山県内では16年に備前市で水道管が破裂して約2割の世帯が断水し、老朽化した水道管の問題が浮き彫りになった。浄水場の耐震化や水道管の更新を進めるとして、岡山市が24年度から水道料金を段階的に引き上げるなどの動きもある。

 政府は耐震適合率を全国で28年度末までに60%以上に引き上げる目標を掲げている。大規模災害に備えて耐震化の速度を上げるためには、国が行っている交付金などの財政的支援の充実も不可欠だ。

 能登半島地震の被災地では行政のみならず、各家庭の飲料水の備蓄なども十分でなかったとされる。給水車が来ても水を入れる容器がない家庭も少なくなかったという。南海トラフ巨大地震など広域災害が起きれば、救援はすぐには来ない。各家庭でも断水リスクを想定して備えたい。

(2024年02月01日 08時00分 更新)

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