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身近なごみの活用 資源として発電や燃料に

身近なごみの活用 資源として発電や燃料に
 生ごみやてんぷらに使った廃食油など、暮らしの中から出る身近なごみを有効活用する取り組みが進みつつある。これまでは捨てられていたごみを資源として生かし、環境に優しい循環型の地域社会をつくっていきたい。

 「身近なごみを資源に」と題して25日に開かれた本紙シンポジウム。自治体や企業、学校、家庭などが連携した実践例が報告された。

 岡山市教委は本年度、学校給食の調理で出る生ごみや食べ残しの「給食残渣(ざんさ)」を、発電に使う事業を始めた。受け入れる市内の食品リサイクル企業「バイオディーゼル岡山」には、給食以外にもスーパーやホテル、食品工場などから事業系の食品が多く集まる。消費期限前のまだ食べられる物も多い。これらをメタン発酵させ、出たバイオガスで発電して電力会社に売電している=

 学校給食の対象校や食品を出す事業所をもっと増やし、廃棄される食品を減らして、地域のリサイクル率を上げていくことが求められよう。

 同社の別の工場では、てんぷらなどの廃食油からバイオディーゼル燃料を製造している。油は行政による一般家庭からの回収や、学校給食、事業所などから集められる。燃料はごみ収集車やバス、自治体の焼却炉などに使われる。こちらも自治体回収などを増やしていくべきだろう。

 真庭市では、家庭から出た生ごみやし尿、浄化槽汚泥をメタン発酵させて農業用肥料をつくる取り組みが進む。現在実証プラントで行われており、来年秋にも本格的な施設が稼働する。「燃えるごみ」の3~5割を占める生ごみを分別してリサイクルすることで、市内3カ所のごみ焼却場は1カ所に減らせる。自治体の新たなごみ処理行政の試金石となるのではないか。

 シンポでは、割れた備前焼の陶器片を再利用し、コーヒーカップを作る取り組みなども紹介された。卵の殻の活用も模索されているという。

 これらの動きが広がれば、ごみが減って自治体の処理費用が抑えられ、脱炭素や農業振興などにも役立つ。高度成長期からの大量生産、大量消費、大量廃棄の社会システムは、環境負荷や資源高騰で行き詰まりを見せている。焼却や埋め立て中心できたごみ処理を改める時だろう。暮らしの中からも考え、分別などに取り組んでいく必要がある。

(2023年11月28日 08時00分 更新)

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