1945年6月29日の岡山空襲から78年となるのを前に、岡山市主催の企画展「第46回岡山戦災の記録と写真展」が9日、岡山シティミュージアム(北区駅元町)で始まった。空襲の熱で溶けたとみられ、岡山城の「令和の大改修」に伴って発見された瓦の塊など惨禍を伝える資料約350点に加え、体験者の証言をパネルにして随所に展示。平和の尊さを訴えている。30日まで。
昨年改修を終えた岡山城近くの地中から発見された瓦の塊は初公開。瓦や炭化した木材が高熱で一つの塊となり、空襲の激しさを物語る。木造の初代天守閣は空襲で焼失しており「お城がガサーッと音を立てて崩れ落ちると、みんな悲鳴を上げた」との体験者の声、逃げ惑う人たちの様子を描いた市民の画帳もある。
「出征兵士」にスポットを当てたコーナーには県内で撮影された写真が並び、りりしい表情で写る軍服姿の若者、日の丸の小旗を手に万歳で見送る子どもたちが確認できる。出征直前に兵士の母親と話した体験者は「彼女は『何が万歳よ。こんな事のために大事に大事に育てたんじゃない』と泣いていて」との証言を寄せている。
戦地での無事を祈って名前を寄せ書きした日章旗、家族が戦死した家に掲げられたとされる「誉(ほまれ)の家」の表札なども並ぶ。
就実大1年女子(19)は「写真や証言から、私たちと何も変わらない一般人が戦いに巻き込まれる怖さを実感した。体験者が減っていく中、若い人が見ておくべきですね」と話した。
午前10時~午後6時。月曜休館。入場無料。
昨年改修を終えた岡山城近くの地中から発見された瓦の塊は初公開。瓦や炭化した木材が高熱で一つの塊となり、空襲の激しさを物語る。木造の初代天守閣は空襲で焼失しており「お城がガサーッと音を立てて崩れ落ちると、みんな悲鳴を上げた」との体験者の声、逃げ惑う人たちの様子を描いた市民の画帳もある。
「出征兵士」にスポットを当てたコーナーには県内で撮影された写真が並び、りりしい表情で写る軍服姿の若者、日の丸の小旗を手に万歳で見送る子どもたちが確認できる。出征直前に兵士の母親と話した体験者は「彼女は『何が万歳よ。こんな事のために大事に大事に育てたんじゃない』と泣いていて」との証言を寄せている。
戦地での無事を祈って名前を寄せ書きした日章旗、家族が戦死した家に掲げられたとされる「誉(ほまれ)の家」の表札なども並ぶ。
就実大1年女子(19)は「写真や証言から、私たちと何も変わらない一般人が戦いに巻き込まれる怖さを実感した。体験者が減っていく中、若い人が見ておくべきですね」と話した。
午前10時~午後6時。月曜休館。入場無料。
(2023年06月09日 19時03分 更新)