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「岡山とりめし」ご当地グルメに 飲食業協組が11日、催しでPR

イベントで販売する岡山とりめしを試作する緋田代表理事
イベントで販売する岡山とりめしを試作する緋田代表理事
 岡山市内の飲食店主らでつくる岡山飲食業協同組合が、新たなご当地グルメの売り込みに乗り出す。目をつけたのは、ご飯の上に唐揚げを並べて甘辛いたれをかけたとりめし。岡山県内発祥とされるこのメニューを「岡山とりめし」と銘打って売り出す。11日に同市内で開かれるイベントに出店し、PRを開始する。新型コロナウイルス禍が一段落とはいえ、物価高騰などから飲食業界を取り巻く環境は依然として厳しい。メンバーは「新名物に育て、飲食店や地域を元気にしたい」と力を入れている。

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 とりめしは弁当店から誕生したという。弁当チェーンを展開するほっかほっか亭総本部(大阪市)によると、1990年ごろ、同社の岡山県内の店舗に子ども用弁当の依頼があった際に考案された。新たな味は一般にも販売されて評判を呼び、やがて全国の店舗に広まった。それでも岡山県は発祥の地とあってか、今も全国で最も多くとりめしが売れている。

 岡山飲食業協同組合のメンバーは、飲食業界の活性化策を話し合う中で「定番メニューが、岡山生まれという意外性が面白い」と着目。「岡山とりめし」の名で提供店を増やし、県内外へ売り出していく。

 県産の鶏肉や米を使うといった岡山とりめしの定義を決めて地域の味として魅力をPRするほか、多くの飲食店が参加して工夫を凝らしたとりめしの味を競い合う食イベントを9月に岡山市内で開催しようと企画を進めている。将来、とりめし提供店をまとめたマップの作成や、公式のたれを作ることなども構想している。

 取り組みの第1弾として、11日、岡山市中心部の西川緑道公園筋で開催される恒例の歩行者天国イベント「ホコテン!」(午前11時~午後4時)に参加。岡山の味覚をテーマに開催されるイベントで、組合で販売ブースを構え、県産鶏を使った岡山とりめしを1食500円で提供する。会員の店舗で試作を重ねている。

 材料の価格や人件費が上昇し、コロナ禍を乗り切るための借入金の返済もあり、今も閉店を余儀なくされる飲食店は少なくない。緋田幸生代表理事(40)は「とりめしを盛り上げることで、頑張る飲食店を支えたい。県外への発信にも努め、観光面での貢献も目指す」と話している。

 山陽新聞社は地域の課題解決や新たな魅力創出を図る「吉備の環(わ)アクション」を展開中。組合の試みを紙面掲載などを通じてバックアップする。

(2023年06月08日 19時37分 更新)

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