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大崎事件の再審認めず、高裁宮崎 地裁判断に「誤りない」

 「大崎事件」の第4次再審請求即時抗告審で福岡高裁宮崎支部が再審開始を認めない決定をしたことを受け、「不当決定」と書かれた紙を掲げる弁護士=5日午前、宮崎市
 「大崎事件」の第4次再審請求即時抗告審で福岡高裁宮崎支部が再審開始を認めない決定をしたことを受け、「不当決定」と書かれた紙を掲げる弁護士=5日午前、宮崎市
 原口アヤ子さん
 原口アヤ子さん
 1979年に鹿児島県大崎町で男性の遺体が見つかった「大崎事件」の第4次再審請求即時抗告審で、福岡高裁宮崎支部は5日、殺人罪などで懲役10年が確定、服役を終えた原口アヤ子さん(95)の再審開始を認めない決定をした。事故死だとする弁護側主張が認められるかどうかが争点だった。再審を認めなかった昨年6月の鹿児島地裁決定について「確定判決の事実認定に合理的疑いを差し挟むものとは言えないとした判断に誤りはない」とした。

 森雅美弁護団長は「非常に残念。特別抗告して争っていく。甚だしい人権侵害だ」と述べた。福岡高検の小橋常和次席検事は「適切な判断をされたものと考える」とのコメントを出した。再審請求で第1次の地裁、第3次の地裁と高裁支部が開始を認めたが、上級審で覆っていた。

 矢数昌雄裁判長は決定理由で、事故死の可能性を示した救急救命医鑑定は「遺体を直接検分しておらず、証明力が高いとは言えない」と指摘。弁護側が即時抗告審で求めていた新旧全証拠の総合評価に関し「必要は認められない」と退けた。

(2023年06月05日 13時21分 更新)

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