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陸奥部屋、波乱の歴史に光差す 新大関霧馬山、きょう誕生

 3月、大相撲春場所で初優勝を果たし、陸奥親方(右)に水をつけてもらう関脇霧馬山=堺市
 3月、大相撲春場所で初優勝を果たし、陸奥親方(右)に水をつけてもらう関脇霧馬山=堺市
 日本相撲協会は31日、霧馬山(27)=モンゴル出身=の大関昇進を正式決定する。霧馬山を生んだ陸奥部屋は八百長問題など波乱の歴史をたどってきた。師匠の陸奥親方(元大関霧島)が協会の定年まで1年を切った時期に、一つの光が差し込んだ。

 師匠は現役時代に井筒部屋に在籍し、甘いマスクと筋肉質の体で「和製ヘラクレス」の異名を取った人気力士。初土俵から史上最も遅い91場所で大関昇進した。

 1996年春場所限りで引退し、翌年に陸奥部屋を継承。幕下以下3人での船出だった。徐々に関取も増える中、2011年の八百長問題で4力士が去り、協会理事だった師匠は降格処分を受けた。

 この4年後に初土俵を踏んだのが霧馬山だ。当初は入門させない意向だった親方も「謙虚で素直に聞く力をもっている」と人柄を評価。稽古熱心さで番付をどんどん上げた。

 夏場所前に力士の暴力事案が発覚し、部屋は再び重苦しい空気に包まれたが、部屋頭は白星を重ねた。部屋関係者は「いろいろあったけど、みんなで喜びを分かち合いたい。霧馬山のおかげ」と感謝した。

(2023年05月31日 06時51分 更新)

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