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吉備津神社・南随神門 修復へCF 境内社殿最古、色あせ傷み激しく

塗装の色あせや傷が目立つ吉備津神社の南随神門
塗装の色あせや傷が目立つ吉備津神社の南随神門
 岡山市北区吉備津の吉備津神社は、境内の社殿で最も古く、傷みが激しい国指定の重要文化財・南随神門(みなみずいしんもん)の修復費をクラウドファンディング(CF)で6月26日まで募っている。当初の目標額500万円は既に達成し、「ネクストゴール」の1500万円を目指す。

 本殿・拝殿の南西に位置する瓦ぶきの南随神門は1357(延文2)年に再建された。1927(昭和2)年を最後に大規模な修復をしておらず、朱色や白色の塗装は色あせ、傷、落書きも目立つ。老朽化した内部とひび割れが入った基礎の補修も必要という。

 桃太郎のモデルとして知られる吉備津彦命(きびつひこのみこと)を祭る吉備津神社。南随神門には、その家臣と伝わる犬飼建命(いぬかいたけるのみこと)と中田古名命(なかたふるなのみこと)のご神体が納められており、回廊の途中に建っていることから参拝者の多くが門を通る。

 吉備津神社は1425(応永32)年の本殿・拝殿の再建から600年の節目となる2025年を前に、境内の改修作業を進めている。南随神門の修復費は外装だけで2千万円以上かかると見込まれ、国などの補助金を受けても神社の負担は多額になるという。

 藤井崇行宮司(52)は「文化財の保護や継承への理解を深める契機になってほしい。多くの人に気持ちを寄せてもらえれば、ありがたい」と話す。

 CFは山陽新聞社や中国銀行が運営する「晴れ!フレ!岡山」のサービスを利用。返礼品は境内への寄付札の掲示や御朱印帳、お守りなどを用意した。

 詳細や支援は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/kibitujinja)。

(2023年05月30日 18時41分 更新)

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