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第8期叡王戦 菅井八段善戦及ばず 千日手2回の死闘 藤井六冠3連覇

第4局に敗れ厳しい表情で感想戦に臨む菅井八段(右)と藤井叡王
第4局に敗れ厳しい表情で感想戦に臨む菅井八段(右)と藤井叡王
 将棋の菅井竜也八段(31)=岡山市=が藤井聡太叡王(20)=竜王、王位、棋王、王将、棋聖との六冠=に挑む第8期叡王戦5番勝負の第4局が28日、岩手県宮古市の浄土ケ浜パークホテルで指された。同じ手順を繰り返して指し直しとなる「千日手」を2回続ける死闘の末、藤井叡王が勝利してシリーズ成績3勝1敗で3連覇を達成。菅井八段は善戦及ばず、2度目のタイトル獲得はならなかった。

 1勝2敗で後のない菅井八段がタイに戻すか、藤井叡王が六冠を堅持するか。菅井八段の先手で始まった大一番は、午前中に千日手が成立。先後を入れ替えての指し直し局も、最終盤まで両者譲らず再び千日手に。残り2分だった藤井叡王の持ち時間を1時間、8分だった菅井八段を1時間6分に加算し、再度指し直す異例の展開となった。

 午後7時15分からの“3局目”は、三たび振り飛車で自玉を固めた先手の菅井八段に対し、藤井叡王は居飛車で玉を囲う「相穴熊」の戦型に。中盤のせめぎ合いで主導権を奪った藤井叡王が、的確な指し回しでリードを広げて90手で制した。菅井八段も懸命に相手玉に迫ったが届かなかった。残り時間は藤井叡王1分、菅井八段13分だった。

 菅井八段は、初防衛を目指し敗れた2018年王位戦以来のタイトル戦だった。

勝負行けなかった


 菅井八段の話 千日手の局面で勝負に行けなかった。数年ぶりのタイトル戦で気合は入っていたが、結果がついてこず残念。

大変な戦いだった


 藤井叡王の話 中盤から終盤にかけて距離感のつかめない将棋が多く、課題を感じた。大変な戦いだったが結果を出せてうれしい。

(2023年05月28日 22時36分 更新)

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