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カルト被害防止の体制づくり訴え 岡山でシンポ、紀藤弁護士ら登壇

シンポジウムに登壇した(右から)島岡教授、紀藤弁護士、河田弁護士ら
シンポジウムに登壇した(右から)島岡教授、紀藤弁護士、河田弁護士ら
 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る高額献金・寄付などが社会問題化しているのを踏まえ、岡山弁護士会は28日、シンポジウム「カルト規制と被害者救済」を岡山シンフォニーホール(岡山市北区表町)で開いた。問題に詳しい紀藤正樹弁護士(第二東京弁護士会)らが、法規制といった被害防止の体制づくりを訴えた。

 紀藤弁護士は、カルト宗教が引き起こす被害例として、霊感商法や高額献金▽家族関係の破壊▽教団の批判者に対する中傷や嫌がらせ―などを挙げ「旧統一教会も多く起こしている」と指摘。1990年代に問題が表面化したにもかかわらず対策が進まなかったとし「風化させると新たな被害者が生まれる」と述べ、社会全体で議論を続ける重要性を説いた。

 大阪大の島岡まな教授(刑法)は、悪質な行為を繰り返す宗教団体に解散を宣告できるフランスの法律を説明。「弱者保護、人権擁護の姿勢が強く表れており、日本は学ぶべきだ」と強調した。

 被害者救済に取り組む河田英正弁護士(岡山弁護士会)を交えたパネルディスカッションでは、カルト宗教に対する規制について3人とも「必要」との立場で一致。河田弁護士は「教会と関わってきた政治家は多いのに、反省の弁がない」と疑問を呈した。

 憲法記念日(3日)にちなんで企画。会場とオンラインで市民ら300人以上が聞いた。

(2023年05月28日 20時10分 更新)

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