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ねねの着物? 荘厳具打敷2点修復 京都・高台寺、6月1日から公開

高台寺が修復した「菊に雪輪花菱文様唐織打敷」
高台寺が修復した「菊に雪輪花菱文様唐織打敷」
「薔薇に雪持柳文様唐織等縫合せ打敷」
「薔薇に雪持柳文様唐織等縫合せ打敷」
 豊臣秀吉の正室ねねが建立した高台寺(京都市)は26日、ねねの着物を仕立て直した可能性がある荘厳(しょうごん)具の打敷(うちしき)2点(京都府指定有形文化財)を修復したと発表した。6月1日から一般公開する。

 ねねは初代足守藩主木下家定の妹。江戸初期の岡山城主小早川秀秋はおいに当たる。

 打敷は卓上にかけて供物や仏具を載せる敷物。2点はもえぎ地に菊や雪輪柄などを組み合わせた「菊に雪輪花菱(はなびし)文様唐織(からおり)打敷」(縦177センチ、横176センチ)、紅地薔薇(ばら)や桜文様など6種類の唐織を縫い合わせた「薔薇に雪持柳文様唐織等縫合せ打敷」(縦129センチ、横131センチ)。色あせや汚れなど経年劣化が進み、約1年前から修復していた。

 同寺は今回の2点を含め、文化財指定された打敷12点を所蔵。桃山時代を代表する染織品で、一部の裏面にはねねが寄贈したことを示す墨書もある。今回の2点には墨書は確認されていないが、同寺は「これまでの調査で身分の高い女性の小袖を仕立て直したのは確か。ねね様ゆかりの品と考えている」と話している。

 公開は高台寺掌美術館(同市)で、「菊に雪輪―」が6月1~20日、「薔薇に雪持柳―」が21日~7月10日。問い合わせは同寺(075―561―9966)。

(2023年05月26日 20時50分 更新)

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