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日銀総裁、物価上昇の基調を重視 2%未達でも緩和縮小の可能性

 インタビューに答える日銀の植田総裁=25日午後、日銀本店
 インタビューに答える日銀の植田総裁=25日午後、日銀本店
 日銀の植田和男総裁が25日、共同通信などのインタビューに応じた。2%の物価上昇を目標とした大規模金融緩和を見直す条件として「上昇率が持続的、安定的かどうかの判断が重要だ」との考えを改めて強調した。その上で、2%を下回る水準でも「非常に細かい、コンマいくつの差」は重要ではないとして、上昇基調が明確であれば緩和縮小という「出口」を模索する可能性があることを明らかにした。

 総務省の統計によると、22年度平均の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は、資源価格の高騰などで前年度と比べ3・0%上昇。日銀は23年度の上昇率が1・8%に鈍化すると予測し、大規模緩和を継続している。

 植田氏は、基調的な物価上昇を判断する上で賃金動向や、企業・消費者が予想するインフレ率なども丁寧に確認すると説明した。現在の物価上昇はコスト上昇に起因するとされるが、持続するには賃上げと需要の強さを伴うことが必要だと指摘した。ただ、賃金の具体的な上昇率などは「目標にしない」として、あくまで物価を基準に政策を決める姿勢を示した。

(2023年05月25日 21時09分 更新)

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