両備グループ（岡山市北区下石井）の和歌山電鉄（和歌山市）は、「猫駅長」として人気を集めた三毛猫・たまの写真集を発行した。１５年に死ぬまで愛らしい姿で客を呼び込んだ在りし日の写真約１３０点を収録している。

　たまは、同グループが南海電鉄（大阪）から不採算路線の貴志川線を引き継いで再建を進める中で、２００７年１月に貴志駅（和歌山県紀の川市）の駅長に就任。全国からファンが会いに来て乗客増につながるなど、動物駅長ブームの火付け役となった。

　写真集はＡ５判７６ページ、１３００円。駅長帽をかぶって乗降客を迎える姿をはじめ、駅のホームにある桜の木に登ったり、猫じゃらしで遊んだりする様子などを収めた。後任の猫駅長「ニタマ」らを紹介する写真もある。

　今も多いファンと思い出を共有しようと企画し、和歌山電鉄の山木慶子取締役が撮りためた写真を厳選。一般公募の中から選んだ３点も載せた。たまの誕生日に当たる４月２９日に発売。２千部作り、同電鉄のネットショップや駅などで扱っている。

　山木取締役は「数え切れないほど写真が残っているので選ぶのに苦労した。たまの魅力を改めて感じてもらいたい」と話している。