山陽新聞デジタル|さんデジ

郷土の芸術 優品310点で通覧 岡山県立美術館 開館35年特別展

雄大な浦上玉堂の山水画(右)など優品がそろい、郷土の芸術文化の厚みを感じさせる会場
雄大な浦上玉堂の山水画(右)など優品がそろい、郷土の芸術文化の厚みを感じさせる会場
 岡山県立美術館(岡山市北区天神町)で19日、開館35周年を記念した特別展「CORRELATION(コリレーション)」が開幕した。美術史に輝く巨匠から気鋭の現代作家まで、郷土の豊かな芸術文化を日本画、洋画、彫刻、工芸など多彩な310点で通覧する。7月2日まで。

 「交流と継承」をテーマに「家族や親子、師弟のつながり」「海外に学び、描く」など12章で構成。約5千点の所蔵・寄託品から選び抜いた優品を、前期と後期に分けて展示する。

 日本画は、中国の巨匠・玉澗(ぎょくかん)に倣った室町期の画僧雪舟の「山水図(倣玉澗)」から、胸中の理想郷を奔放に表した江戸期の文人画家浦上玉堂の「山高水長図」、絢爛(けんらん)な琳派の技法を再現した現代作家森山知己さんの「紅白梅図屏風(びょうぶ)」まで、伝統を踏まえた独創的な美の流れをたどれる。備前焼は人間国宝の伊勢崎淳さん、弟子の隠崎隆一さんの花入れなど親子、師弟関係にある作家を対比的に紹介している。

 旅行中に訪れた会社員(59)=東京=は「古代吉備から続く歴史の中で育まれた、多様で質の高い芸術に触れられとても興味深かった」と話した。

 月曜と6月13日休館。同14日から後期展示。5月20日と6月17日は無料開館する。

(2023年05月19日 17時20分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ