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渡り鳥の休息地 干潟の大切さ学ぶ 倉敷でシンポ、専門家が保全訴え

干潟を保全する重要性について学んだシンポジウム
干潟を保全する重要性について学んだシンポジウム
 干潟の大切さを学ぶシンポジウム(たましま干潟と鳥の会主催)が13日、倉敷市内で開かれた。NPO法人バードリサーチ(東京)の守屋年史研究員(倉敷市出身)ら3人が講演し、渡り鳥の貴重な休息地として保護する重要性などを訴えた。

 守屋氏は、干潟には渡り鳥の餌となる貝やゴカイが豊富に生息しており、シギやチドリが繁殖のために数千キロを移動する際、「エネルギーを補給するための重要な中継地になっている」と説明した。

 干潟が埋め立てなどで大幅に減少し、日本や東アジア、オーストラリアに飛来する渡り鳥が毎年5~9%ずつ減っている状況にも触れ「人と鳥が共生できる環境をつくることが大切」と強調。東京都の沿岸部を埋め立てた際、生物が生息できるよう一角に湿地が設けられた例を紹介した。

 NPO法人南港ウェットランドグループ(大阪)の和田太一理事は干潟にすむ生物の生態、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所(東京)の桑江朝比呂氏は人工干潟の効果的な整備方法について話した。

 シンポジウムは国連環境計画(UNEP)が定める「世界渡り鳥の日」(13日)に合わせて初めて開催。オンラインを含め約70人が聴講した。

(2023年05月13日 20時47分 更新)

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