山陽新聞デジタル|さんデジ

ゲームの舞台そのまま 直島に脚光 ファンが聖地巡礼、島民と交流も

うどん店と民宿を営む石井さん。店頭にはファンが寄せ書きできるノートを置いている
うどん店と民宿を営む石井さん。店頭にはファンが寄せ書きできるノートを置いている
閉店したイワタコンフェクトはグッズやイラストを外から見えるように展示している
閉店したイワタコンフェクトはグッズやイラストを外から見えるように展示している
ゲーム「サマーポケッツ」のキービジュアル「(C)VISUAL ARTS/Key」
ゲーム「サマーポケッツ」のキービジュアル「(C)VISUAL ARTS/Key」
主人公が滞在する家のイラスト。人形や掛け軸まで細かく再現されている「(C)VISUALARTS/Key」
主人公が滞在する家のイラスト。人形や掛け軸まで細かく再現されている「(C)VISUALARTS/Key」
石井商店が営む民宿の和室
石井商店が営む民宿の和室
ゲーム内に登場する和菓子店のイラスト「(C)VISUALARTS/Key」
ゲーム内に登場する和菓子店のイラスト「(C)VISUALARTS/Key」
閉店前の菓子店「イワタコンフェクト」の外観=2022年4月
閉店前の菓子店「イワタコンフェクト」の外観=2022年4月
航空写真が直島と似ている「鳥白島」の全景「(C)VISUALARTS/Key」
航空写真が直島と似ている「鳥白島」の全景「(C)VISUALARTS/Key」
 現代アートの島で知られる直島(香川県直島町)が美少女ゲームの舞台としても脚光を浴びている。作中に実際の民宿や商店、風景がほぼそのまま登場し、ファンが“聖地巡礼”のため訪問。島の人たちはグッズやメッセージノートを置いて交流を楽しんでいる。

 ゲームは「Summer Pockets(サマーポケッツ)」。モデルは直島、男木島、女木島とされ、直島が出る頻度が高い。

 主人公の羽依里(はいり)が滞在する家は、民宿とうどん店を営む「石井商店」がベースに。ゲームの中では店のカウンターや客が寝泊まりする和室の造りはもちろん、食器や飾られている人形まで細かく再現されている。

 店に置かれたノートには「どこもかしこもゲームのままで驚いた」「島民の方々の温かさに感動」など、首都圏や海外から訪れたファンのメッセージが多数書き込まれている。直島で生まれ育った店主の石井明美さん(80)は何も知らずに最初は困惑したものの「若い人が島に愛着を持って何度も足を運んでくれるのがうれしい」と喜ぶ。

 菓子店「イワタコンフェクト」はヒロインの1人、蒼(あお)のバイト先として登場。ファンの訪問に店主の岩田正義さん(81)は「何か恩返しがしたい」とキャラクターを模したクッキーを作り、買い物客におまけで配っていた。体調不良で1月に店を閉めたが、ファンからプレゼントされたグッズを外から見えるように並べている。

 閉店の知らせを受け、ツイッターにはファンから悲しみの声が多く寄せられた。岩田さんは「皆さんに会えなくなってしまってものすごく残念。店は残っているので蒼ちゃんに会いに来てほしい」とメッセージを送る。

 サマーポケッツ 2018年に発売されたKeyのゲーム。主人公の男子高校生が夏休みに瀬戸内海の架空の島を訪れ、島に住む少女たちとの出会いを描く恋愛アドベンチャー。登場人物の会話やナレーションで物語が進み、プレーヤーが重要な場面で選ぶ主人公の言動によって結末が変わっていく。アニメ化の計画もある。

(2023年05月13日 17時26分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ