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法律で設置義務も図書室なし 学習権侵害恐れ、実態把握できず

 図書室がなく、廊下の一角にある図書コーナーにまばらに置かれた本=3月、首都圏の特別支援学校
 図書室がなく、廊下の一角にある図書コーナーにまばらに置かれた本=3月、首都圏の特別支援学校
 図書室がない学校の例
 図書室がない学校の例
 図書室を設置せず、資料の整備も不十分な学校が複数あることが4日、共同通信の取材で判明した。学校図書館法は図書施設の設置を義務付け、整備や充実を図るよう求めている。専門家は学校や地域による充実度の格差が大きいとし、子どもが主体的に学ぶ権利を保障する学習権を侵害している恐れがあると指摘している。

 文部科学省は都道府県教育委員会を通じて学校図書館の蔵書数や学校司書の配置を調査しているが、設置が前提で実態を把握できなかったとし「望ましくない。改善するよう促す」としている。学校現場ではデジタル教材が普及しつつあるが、情報活用能力を育む図書室の役割は増している。

 図書室のない学校は北海道の公立学校や首都圏の特別支援学校など少なくとも3校で確認された。校舎の移転や改築工事など一時的な理由以外に、長期間にわたり図書室がなかったり、予算がゼロとなったりしていた。図書室のない学校は「氷山の一角ではないか」とする関係者もいる。

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(2023年05月04日 21時02分 更新)

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