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「山鳥毛」など備前刀集め記念展 県立博物館3年ぶり全面開館

リニューアルされた展示室で「山鳥毛」に見入る入場者
リニューアルされた展示室で「山鳥毛」に見入る入場者
 岡山県立博物館(岡山市北区後楽園)は1日、開館以来の大規模改修を終えて3年ぶりに全面開館した。新型の展示ケースを導入するなどリニューアルした館内では、国宝や国重文の備前刀を集めた記念展「名刀 福岡一文字の光彩」が始まり、早速訪れた愛好家らが楽しんでいた。

 1階は1月に部分開館しており、この日は記念展会場である2階展示室がオープン。改修前にあった間仕切りをなくして広々とした展示空間を確保し、気密性に優れた高性能ケースなども新たに設置している。

 記念展は、岡山が誇る刀工集団「福岡一文字派」の優品7振りを展観。上杉謙信の愛刀で知られる国宝「太刀 無銘一文字(山鳥毛<さんちょうもう>」(備前長船刀剣博物館蔵)、同派を代表する名匠が手がけた国宝「太刀 銘 吉房」(林原美術館蔵)などがそろい、入場者は華麗な刃文や美しい刀身に見入っていた。

 開館時には約100人の行列ができ、会社員(59)=倉敷市=は「歴史好きで再開を心待ちにしていた。山鳥毛もよかったし、今後も見応えある展示を続けてほしい」と話していた。

 同館は1971年開館で老朽化が進み、2020年4月から約6億円をかけて耐震補強や空調機器の更新など行った。

 記念展は5月7日まで。月曜休館。山鳥毛の展示は4月9日まで、11日からは重要美術品「太刀 銘 正恒」が並ぶ。

(2023年04月01日 18時08分 更新)

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