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多彩なアート 意外な感触に歓声 岡山で「“触”の大博覧会」開幕

無数につり下がったナイロンの滑らかな感触を楽しむ子どもたち
無数につり下がったナイロンの滑らかな感触を楽しむ子どもたち
備前焼の岡山国際サーキット模型をなでる子ども
備前焼の岡山国際サーキット模型をなでる子ども
 触って体感できるアートを並べた「ユニバーサル・ミュージアム さわる!“触”の大博覧会」(岡山放送主催)が1日、同放送本社KURUN(クルン) HALL(ホール)(岡山市北区下石井)で開幕した。全ての彫刻や絵画作品などに触れることができ、家族連れらが心地よい手触りや、見た目を裏切る意外な感触に歓声を上げていた。

 同展は新型コロナウイルス禍で“非接触”が日常になる中、触覚の大切さを再認識しようと国立民族学博物館(大阪府)が2021年に開き、今回は初の地方巡回展。名画を立体化した作品や備前焼、木彫、点字絵本など25作家の約170点が並ぶ。

 岡山県立大の島田清徳教授のインスタレーションは、暗くした部屋にナイロンを無数につり下げており、子どもらは両手を広げて通り抜けながら、滑らかな素材の感触を楽しんでいた。朝日塾小4年男子(9)は「自由に触れられるのが新鮮。暗い中で形を想像しながらなでるのはドキドキした」と話した。

 同展の企画者で全盲の広瀬浩二郎・同博物館教授(文化人類学)は「人は視覚に頼りがちだが、触れなければ分からないこともある。感覚の多様性に気づいてほしい」と呼びかけていた。

 5月7日まで。月曜休館。

(2023年04月01日 16時51分 更新)

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