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袴田巌さん、再審開始へ 検察が特別抗告断念、無罪の公算

 自宅でくつろぐ袴田巌さん(左)と姉ひで子さん=20日午前、浜松市(袴田さん支援クラブ提供)
 自宅でくつろぐ袴田巌さん(左)と姉ひで子さん=20日午前、浜松市(袴田さん支援クラブ提供)
 日課の散歩のため自宅を出て、ピースサインをする袴田巌さん=20日午後、浜松市(袴田さん支援クラブ提供)
 日課の散歩のため自宅を出て、ピースサインをする袴田巌さん=20日午後、浜松市(袴田さん支援クラブ提供)
 袴田巌さん
 袴田巌さん
 オンラインで弁護団の記者会見に参加し、笑顔を見せる袴田巌さんの姉ひで子さん=20日午後、東京・霞が関の司法記者クラブ
 オンラインで弁護団の記者会見に参加し、笑顔を見せる袴田巌さんの姉ひで子さん=20日午後、東京・霞が関の司法記者クラブ
 1966年に静岡県の一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さん(87)の再審開始を認めた東京高裁決定に関し、東京高検は20日午後、最高裁への特別抗告を断念したと発表した。袴田さんは事件から半世紀以上を経て、静岡地裁での再審公判で無罪を言い渡される公算が大きくなった。戦後の死刑事件で再審開始の判断が確定したのは5例目。過去4例は再審公判を経て83~89年に無罪となった。

 再審公判開始の具体的な時期は未定。今後、静岡地裁と検察、弁護団の3者協議を経て決まる見通し。

 東京高検の山元裕史次席検事は「承服しがたい点があるものの、特別抗告の申し立て理由があるとの判断に至らなかった」とのコメントを発表。記者会見では「法と証拠に基づいて慎重に検討した結果だ。再審公判があるので現時点で詳細は差し控える」と述べた。「本日判断した」とし、説明は避けた。

 高裁は13日の決定で弁護側主張を全面的に認め、確定判決が「犯行着衣」と認定した衣類5点の証拠を捜査機関側が捏造した可能性が極めて高いと指摘していた。

(2023年03月20日 20時59分 更新)

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