周りに気兼ねなく、楽しく運動できる場を―。発達障害や不登校などさまざまな事情を抱えた子どもたちのために、元プロボクサーの福島健也さん(43)=倉敷市=が空手教室「ハレルヤ」を同市内で開いている。個々のペースで参加し、成功体験を重ねることで、自信や心身の成長につながっているという。
「よっしゃ! いい声」。2月中旬、倉敷市立東陽中(同市高須賀)の道場。走ったり、正拳突きをしたりする子どもたちを福島さんが激励する。通常の空手教室とは異なり道着姿の子はいない。皆と同じことができなくても、嫌な顔をする人も怒る人もいない。
じっとしていられない、集団行動が苦手といった特性から、運動教室に通いたくても通えない子がいる。福島さんはそうした状況を知り、自動車整備の仕事の傍ら、2021年4月にハレルヤを立ち上げた。
ボクシングではなく空手教室にしたのは「心技体を鍛える武道の精神を学んでほしい」との思いから。長男が習っていた縁で6年間一緒に学び、練習相手を務めてきた経験やボクサーとしての格闘技キャリアを生かし、指導に当たっている。さらに、通ってくる子どもたちのことをより理解したいと、児童発達支援士や不登校訪問支援カウンセラーの資格を取得。当初は週1回だったが、受講生が増えたため、現在は週3回に。倉敷、岡山市の幼児~中学生約30人が通う。
稽古はランニングや体操、突き、蹴りなど簡単な運動が中心。あいさつや黙想も行う。2年前から通う発達障害がある小学6年男児の母親(47)は「自分から声を出すことがなかったのに、学校でも大きな声であいさつできるようになった。苦手だった運動も今は楽しそう」と目を細める。
22年の文部科学省の調査では、公立小中学校の通常学級に通う児童生徒の8・8%が発達障害と推定。不登校の小中学生は21年度の同省調査で初めて20万人を超えた。一方で、こうした子どもたちが運動を楽しめる場は少ないという。
ハレルヤの活動の様子を発信する交流サイト(SNS)のインスタグラムには、県内外の保護者から「うちの近くにもできたらいいのに」という声が寄せられる。福島さんは「多様なニーズの子どもがいることを多くの人に知ってもらい、同じような取り組みを全国に広げていきたい」としている。
「よっしゃ! いい声」。2月中旬、倉敷市立東陽中(同市高須賀)の道場。走ったり、正拳突きをしたりする子どもたちを福島さんが激励する。通常の空手教室とは異なり道着姿の子はいない。皆と同じことができなくても、嫌な顔をする人も怒る人もいない。
じっとしていられない、集団行動が苦手といった特性から、運動教室に通いたくても通えない子がいる。福島さんはそうした状況を知り、自動車整備の仕事の傍ら、2021年4月にハレルヤを立ち上げた。
ボクシングではなく空手教室にしたのは「心技体を鍛える武道の精神を学んでほしい」との思いから。長男が習っていた縁で6年間一緒に学び、練習相手を務めてきた経験やボクサーとしての格闘技キャリアを生かし、指導に当たっている。さらに、通ってくる子どもたちのことをより理解したいと、児童発達支援士や不登校訪問支援カウンセラーの資格を取得。当初は週1回だったが、受講生が増えたため、現在は週3回に。倉敷、岡山市の幼児~中学生約30人が通う。
稽古はランニングや体操、突き、蹴りなど簡単な運動が中心。あいさつや黙想も行う。2年前から通う発達障害がある小学6年男児の母親(47)は「自分から声を出すことがなかったのに、学校でも大きな声であいさつできるようになった。苦手だった運動も今は楽しそう」と目を細める。
22年の文部科学省の調査では、公立小中学校の通常学級に通う児童生徒の8・8%が発達障害と推定。不登校の小中学生は21年度の同省調査で初めて20万人を超えた。一方で、こうした子どもたちが運動を楽しめる場は少ないという。
ハレルヤの活動の様子を発信する交流サイト(SNS)のインスタグラムには、県内外の保護者から「うちの近くにもできたらいいのに」という声が寄せられる。福島さんは「多様なニーズの子どもがいることを多くの人に知ってもらい、同じような取り組みを全国に広げていきたい」としている。
(2023年03月10日 20時31分 更新)