フィリピン当局は８日夜、首都マニラの入管施設収容中に日本での広域強盗事件を指示した疑いのある日本人４容疑者のうち、現地に残った渡辺優樹（３８）、小島智信（４５）の２容疑者の強制送還に着手した。航空機で出国後、警視庁が機内で、別の特殊詐欺事件に絡む窃盗容疑で逮捕する。今村磨人（３８）、藤田聖也（３８）両容疑者は７日に送還・逮捕されており、４容疑者の送還が完了。

　海外の収容所を拠点に通信機器を駆使し「ルフィ」などと名乗って日本での犯罪を指示した疑いが浮上する異例の展開をたどった。４容疑者の送還完了で新局面に入り、組織の実態解明が本格化する。

　一方、東京都狛江市で起きた強盗殺人事件で男数人が重要参考人として浮上していることが８日、捜査関係者への取材で分かった。いずれも実行役とみられ、一部は他の事件で逮捕されている。警視庁は容疑の裏付けを急ぐ。

　渡辺容疑者らはフィリピンでの身柄拘束後、女性に対する暴行などで告訴され、裁判の被告人となったことで日本への移送を免れていた。