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個性豊か パリとメキシコの美競演 名古屋市美術館特別展 岡山で開幕

モディリアーニの「おさげ髪の少女」など名画が並ぶ会場
モディリアーニの「おさげ髪の少女」など名画が並ぶ会場
ポサダの「山形帽子をかぶった骸骨」(左)などエネルギーあふれるメキシコ絵画を楽しむ入場者
ポサダの「山形帽子をかぶった骸骨」(左)などエネルギーあふれるメキシコ絵画を楽しむ入場者
テープカットする主催者ら
テープカットする主催者ら
 名古屋市美術館のコレクションによる特別展「エコール・ド・パリとメキシコ・ルネサンス」(岡山県立美術館、テレビせとうち、山陽新聞社主催)が3日、岡山市北区天神町の県立美術館で開幕した。1920年代にフランスとメキシコで花開いた個性豊かな美の競演が、訪れた美術ファンらを魅了している。

 名古屋市美術館の改修休館に伴い、約8千点の所蔵品から人気の高い優品を厳選。世界中からパリに集い「エコール・ド・パリ(パリ派)」と呼ばれたシャガールやキスリング、藤田嗣治らと、同時期に革命後のメキシコで生まれた絵画運動「メキシコ・ルネサンス」をけん引したシケイロスらの計167点が並ぶ。

 まっすぐなまなざしと明るい肌色に生命力が満ちるモディリアーニの「おさげ髪の少女」、淡い色彩が優美なローランサンの「アポリネールの娘」など、パリ派は憂いを秘めた華やかさ。一方、陽気な骸骨が街をかっ歩するポサダの風刺版画「山形帽子をかぶった骸骨」など、メキシコ勢は新しい時代に向けたエネルギーにあふれる。

 岡山市北区の女性(60)は「フランスの女優を描いたキスリングの肖像画は、吸い込まれそうな瞳と美しいたたずまいに見入ってしまった。画家それぞれの表現が光り、見応えがあります」と話していた。

 一般公開に先立ち開会式があり、伊原木隆太知事、松田正己山陽新聞社社長、特別協賛した岡山トヨタ自動車の梶谷俊介社長ら7人がテープカットした。

 3月12日まで、月曜休館。2月4日午後2時から、名古屋市美術館の深谷克典参与が記念講演する。

(2023年02月03日 20時17分 更新)

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