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高校生の社会貢献 地域を元気にしてくれる

 岡山県内の高校生の社会貢献活動を顕彰する「岡山高校生ボランティア・アワード」が本年度で10年を迎えた。

 県ボランティア・NPO活動支援センター「ゆうあいセンター」(岡山市)が主催し、2013年度から年1回開催している。高校生の活動をたたえる各種のアワードは近年、増えつつあるが、先駆けともいえる存在だ。

 きっかけは東日本大震災の後、被災地支援をはじめとするボランティア活動が県内でも広がったことだった。高校生というと部活動に注目が集まりがちだが、地道にボランティア活動に取り組む高校生にも光を当てたいと創設が決まった、という。

 個人、団体を問わず高校生の活動を募集。公開プレゼンテーションを経て大賞や各賞を選ぶ。第10回には過去最多の18チームが出場。初回からの累計は85チームとなった。

 第10回の大賞に選ばれたのは矢掛高生の「YKG地域連携隊」。自発的に通学路の清掃を始め、活動を通して海ごみへと問題意識を広げていった。ほかの出場チームの活動をみると、地域活性化イベント、食品ロス削減や防災、国際理解など多岐にわたる。

 高校内で先輩から後輩へ引き継がれた活動もあれば、中学生から活動を始め、メンバーが複数の高校にまたがる場合もある。県内に高校生による多種多様な活動が広がっていることが感じられる。

 アワードは「高校生の、高校生による、みんなのためのイベント」と銘打ち、準備や当日運営も高校生ボランティアが担っているのが特徴だ。出場した高校生は学校の枠を超え、刺激し合い、励まし合う場にもなっている。

 かつてのアワード受賞者たちは既に大学生や社会人となり、社会のあちこちで活躍している。

 岡山市の阿部磨呂さん(25)は高校時代に障害のある若者の社会参加を支援するグループ「チーム響き」を立ち上げ、第3回アワードで「共感賞」に選ばれた。「大きな自信になり、多くの人とつながるきっかけにもなった」といい、その後、NPO法人を設立。現在も高校生らと連携しながら活動している。

 第1回アワードで大賞に選ばれた山陽女子高(現・山陽学園高)のグループ「SGSG」。使用済み切手を集めてオリジナルしおりを作り、販売収益を寄付する活動が評価された。中心メンバーだった田邊来菜さん(27)は「アイデアを仲間と一緒に形にしていく活動は、その後の生き方につながった」という。現在は東京で子ども向けのダンスのワークショップなど、さまざまな新規事業に取り組む。

 高校生のボランティア活動は、人として成長できる学びの場となるだけではない。地域の課題に気づき、自ら解決しようと行動する姿は地域も元気にしてくれる。高校生を応援し、アワードをさらに大きく育てたい。

(2022年11月30日 08時00分 更新)

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