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受刑者の「回復」描く映画上映へ 27日から岡山 坂上監督トークも

上映会への参加を呼びかける市場さん
上映会への参加を呼びかける市場さん
 日本の刑務所に初めてカメラを入れたドキュメンタリー映画「プリズン・サークル」(2019年)の坂上香監督を招いた上映会が27、28日、岡山市内で開かれる。対話をベースにした更生プログラムを通じ、過去と向き合い、立ち直ろうとする受刑者に密着した作品。監督トークもあり、主催者は「被害と加害、そして回復について考える機会に」と参加を呼びかけている。

 「処罰から回復へ」をテーマにした同作品の舞台は、08年に開設された官民協働型の刑務所「島根あさひ社会復帰促進センター」(島根県浜田市)。受刑者同士の対話を通し、更生を促す欧米発のプログラム「TC(回復共同体)」を国内で唯一導入している。坂上監督は取材交渉に6年、撮影に2年かけ、強盗や傷害致死などの罪で服役する若い受刑者4人に焦点を当てた。

 犯した罪や幼い頃に受けた貧困、いじめ、虐待、差別とその時の気持ちを語り合う受刑者たち。そこから犯罪の原因や償いの意味を探り、新たな価値観、生き方を身につけていく姿が描かれている。

 上映会を企画したのは「女たちのおしゃべり会」(岡山市)。人権や政治、福祉など多様なテーマの集いを開いている。主宰する社会心理学講師・カウンセラー市場恵子さん=同市=は長年、坂上監督の活動を応援してきた。

 いじめや虐待などの被害経験から自傷行為や犯罪に至るケースは多いといい、市場さんは「心の傷を負っても寄り添ってくれる人、語れる相手が一人でもいれば、自他への暴力に転じることを防げる。被害と加害の連鎖を断ち切るために何が大切か、作品から感じ取ってほしい」と言う。

 他に米国の受刑者らの回復をテーマにした坂上監督の2作品も上映される。

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 27日は県立図書館(同市北区丸の内)で、午前10時「ライファーズ 終身刑を超えて」(参加費千円)、午後1時「プリズン・サークル」と監督トーク(2千円)。学生・障害者・シングルマザーは半額。申し込み(先着順)はメール(kei3@po1.oninet.ne.jp)かファクス(086―277―7522)。

 28日は岡山大文法経講義棟(同津島中)で、午後5時半「トークバック 沈黙を破る女たち」と監督トーク。無料で申し込み不要。

(2022年11月22日 16時54分 更新)

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