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芸備線 年度内議論へ国に協力要請 JR西、協議会の法制化待たず

芸備線への考えを話すJR西日本の長谷川社長
芸備線への考えを話すJR西日本の長谷川社長
芸備線 年度内議論へ国に協力要請 JR西、協議会の法制化待たず
 JR西日本の長谷川一明社長は18日、岡山、広島県にまたがる芸備線の3区間を対象に、存廃を含めた路線の在り方について赤字ローカル線の中でも優先的に沿線自治体との話し合いを開始できるよう、国へ協力を要請したことを明らかにした。国が来年度に向けて準備している協議会の法制化を待たず、年度内にも任意で議論を始めたい考え。今月2日、岡山市であった沿線の岡山、広島県、新見、庄原市との会合で協議入りに消極姿勢を示されたことから、即日国に申し入れた。

 3区間は、備中神代(新見市)―東城(庄原市)、東城―備後落合(同)、備後落合―備後庄原(同)の計68・5キロ。新型コロナウイルス禍前の2019年度の1キロ当たりの1日平均乗客数(輸送密度)が11~81人といずれも2桁で、JR西の中でも特に利用が低迷している。

 長谷川社長は大阪市の本社で記者会見し「3区間は利用があまりに少ない。国、自治体と持続可能で便利な交通体系の在り方をできるだけ早く議論したい。国も自治体との調整に動いてくれるとの認識でいる」と述べた。「利用されない路線を交通ネットワークとは言えない。鉄道を残すなら、どうやって維持するかを考える必要がある。他の路線の黒字で赤字を穴埋めするのは望ましくない」との考えも示した。

 斉藤鉄夫国土交通相は18日の記者会見でJR西から相談を受けたことを明らかにし「関係自治体の理解を得られれば、任意の形で協議の場を持つことは可能であり有意義だ」と説明。さらに「ローカル鉄道の再構築は待ったなしの状況。廃止ありき、存続ありきといった前提を置かず、地域公共交通を次世代に残すための話し合いを始めるのが重要だ」と、国が加わって協議することに前向きな意向を示した。

 JR西は4月、芸備、姫新、因美線など輸送密度2千人未満の17路線30区間の収支を公表した上で、自社だけでは維持が困難との認識を表明。国交省は経営が厳しいローカル線について、国主導で自治体や事業者が存廃を話し合う地域協議会を来年の通常国会で法制化し、来年度から運用する方針としている。

(2022年11月18日 22時14分 更新)

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