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参院選1票の格差 岡山「合憲」 高裁支部「著しい不平等ない」

参院選1票の格差 岡山「合憲」 高裁支部「著しい不平等ない」
 「1票の格差」が最大3・03倍だった7月の参院選は憲法が求める投票価値の平等に反するとして、岡山県の有権者が岡山選挙区の選挙無効を求めた訴訟の判決で、広島高裁岡山支部は8日、「合憲」と判断し、無効請求を棄却した。全国14高裁・高裁支部に起こされた16件の訴訟のうち11件目の判決で、合憲は5件目。原告側は即日上告した。

 河田泰常裁判長は判決理由で、7月の参院選について「投票価値の不均衡は、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったとはいえない」と指摘。定数配分規定について「憲法違反に至っていたとはいえない」と判断した。

 国会の取り組みについては、隣接県を一つの選挙区に統合する「合区」(2016年選挙から導入)に対して「解消を求める意見が強まっている」としつつ、維持した点などは「再び大きな格差を生じさせることのないよう配慮し、投票価値平等の要請との調和を可能な限り保とうとする姿勢の表れ」とした。

 その上で、7月の選挙までに「制度の抜本的な見直しなどを行うのが望ましかった」としながらも、制度の検討には「ふさわしい仕組みの基本となる理念などについて一層慎重な考慮を要する」と言及。国会が改革の議論を進めてきた点を評価し、「格差是正を指向する姿勢が失われていると断ずるのは相当ではない」と結論付けた。

 各地の判決は「合憲」が岡山をはじめ、名古屋、松江、高松、那覇の5件、「違憲状態」が札幌、東京、大阪、広島、宮崎の5件で「違憲」は仙台の1件。今月中に全ての一審判決が出そろい、その後に最高裁が統一判断を示す見通し。

 岡山の原告団によると、昨年9月の有権者数に基づく計算では、選挙区のうち議員1人当たりの有権者が最も少ない福井と、12番目に多い岡山の格差は2・46倍。福井の有権者1人の選挙権価値を1票とした場合、岡山は0・41票となる。

負けたと思わない


 原告側の升永英俊弁護士の話 請求は棄却されたが負けたとは思っていない。国民の多数意見とは無関係に、国会議員の多数決で憲法や法律について議論する現在の“国会議員主権国家”を変えなければというわれわれの主張に沿った判決だ。

理解いただいた


 大林裕一・岡山県選管委員長の話 私どもの主張に理解をいただいたものと認識している。今後とも公正な選挙の管理執行に努めていきたい。

(2022年11月08日 22時45分 更新)

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