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【ファジ】17日長崎戦の注目ポイント ファジアカ0期生が分析

【ファジ】17日長崎戦の注目ポイント ファジアカ0期生が分析

 サッカーJ2で3位のファジアーノ岡山は17日午後7時、ホーム・シティライトスタジアム(岡山市)で、7位の長崎と対戦します。前節、クラブ初の5連勝は逃したものの、2位との勝ち点差は5。J1自動昇格圏(2位以内)を目指すには負けられない一戦です。

 クラブ主催の「ファジアーノ岡山 アナリティクスアカデミア」(愛称・ファジアカ)で、戦術や戦力分析を学んだ0期生(4~7月)の有友修治さんとNaiKeiさんの二人に、独自の視点で長崎戦の注目ポイントを挙げてもらいました。



⚽長崎のブラジル人FWとルーキーに要注意


 長崎で最も注目してほしい選手は、8月にブラジルからやって来たFWクレイソン(背番号29)です。クレイソンは、東京V戦(8月6日)から水戸戦(9月14日)まで6試合連続して出場。金沢戦(同6日)で初ゴールを決めました。

 特徴は自由自在に動くプレースタイル。基本はFW登録ですが、ピッチを自由に泳がせてもらっているように見えます。彼に対するファビオ・カリーレ監督の信頼は厚く、「球を持たせれば得点に絡むことができる!」とばかりに、クレイソンを中心に攻撃が行われていると言っても過言ではありません。

 図(金沢戦)のように、2点目はクレイソンのラストパスから、澤田崇(背番号19)がゴールを決めました。そして都倉賢(背番号27)からの連係で、クレイソン自ら3点目を奪いました。
図【金沢―長崎】 矢印はパスの出た方向、黄色が得点に至ったシーン、青色は外れたシーン、それぞれの位置関係を示している。背番号29(クレイソン)がボックス内も自由自在に動いていることが分かる
図【金沢―長崎】 矢印はパスの出た方向、黄色が得点に至ったシーン、青色は外れたシーン、それぞれの位置関係を示している。背番号29(クレイソン)がボックス内も自由自在に動いていることが分かる

 岡山と同じくチームを活性化させているルーキーにも要注意です。私たちが注目しているのは千葉戦(9月3日)でJデビューし、金沢戦(同6日)でJ初ゴールを決めた21歳のDF白井陽貴(背番号38)。現役の法政大学4年生で、9月に入ってセンターバックを任されています。来季、長崎に加入が内定しており、今季は特別登録選手として4試合のピッチに立っています。守備陣の中で、新人らしく元気にハイパフォーマンスを見せています。

 長崎のDF陣の中において、長崎出身の江川湧清(背番号24)と共に若く、やる気に満ちあふれたプレーを見せています。ただ、チームのやりたいことに関して不慣れな部分があるのでは? という部分は見受けられます。まだ出場機会は少なく、能力は未知数。岡山にとっては気をつけたい選手です。

 千葉戦では19歳のDF菊地脩太(背番号47、J1清水から育成型期限付き移籍)と軸を任され、スタメン組を脅かすほどの守備をしていました。岡山の佐野航大と同じく、菊地はU-19日本代表に招集されていて今回の試合で出場しないことは、ある意味幸いなことだと思います。

⚽流動的にボールを動かせれば勝機


 ここ数試合を見てみると、長崎はショートパスを繋いで攻めてくる印象です。だが、選手交代時、マークの受け渡しがうまくできていないように見受けられました。

 長崎のDF江川湧清(背番号24)と白井、そしてコロナ中断後からスタメンに定着しているDF高橋峻希(背番号28)は安定した守備を見せていますが、DF村松航太(背番号16)とDF櫛引一紀(背番号25)は選手交代後、「誰にマークするのか」といった選手間の認識にズレが生じ、やりたいことが共有できていない印象です。

 金沢戦での1失点目を例に挙げます。後半で交代出場した金沢の丹羽詩温(背番号9)、豊田陽平(背番号19)の2トップがパスを繋いで攻め上がって来ると、長崎はこの二人だけでなく、周りの選手もうまくマークすることができませんでした。その結果、丹羽が反撃ののろしを上げる1点目を決めました。長崎は3得点を挙げた後の選手交代がうまく機能しなかったように見えました。ここから金沢は追い上げ、3-3の引き分けに持ち込みました。

 長崎は前半で得点しても、後半で逆転されたり追いつかれたりしています。試合の締め方に課題があるように見受けられます。もし、長崎に先制を許したとしても、「ファジアーノらしく」最後まで諦めず戦い続けることが大切です。

 岡山の狙い目としては、流動的にボールを動かしながら攻撃することだと考えます。相手をかく乱し、ゴール近くでは中から外(サイド)に散らし、クロスを上げて、ゴールを狙うことが得点につながるのではないかと思います。スローインやフリーキックからも同様です。サイドから一度中に入れたボールを一旦外に出して、そこからゴールを狙うと良い勝機が生まれます。岡山のクロスやコーナーキックの名手河野諒祐(背番号16、現在のアシスト数はJ2で1位)の活躍にも期待したいです。

 9月10日の熊本戦(1-3で負け)では、クロスで1点、セットプレーで2点を失いました。これは、長崎がセットプレー時も一人が一人に付かず、ゾーンという全体で守る方法をとっているからだと考えます。位置取りのズレから守りに穴ができやすいのです。その穴を有効活用することで、岡山の勝利は近づいてくると思われます。

 長崎のカリーレ監督は1-3で敗れた熊本戦(10日)後、こうコメントしています。「僕がブラジルから来た理由というのは、例えば、CBもしくはGKから大きく蹴るサッカーをするためではない。地面にボールをつけて、しっかりとサッカーをやる」。地面にボールをつけたサッカーを展開できているのか? 岡山―長崎の試合で注目してみると面白いでしょう。

 「トモニタタカウ」最強のファン・サポーターと90分間、戦い続けていけば、どんな相手にも勝てると私たちは信じています! 「俺たちがついている!!!」 

⚽ファジでプレーした大竹が在籍


 ファジアーノでも17、18年にプレーしていた大竹洋平(背番号20)にも注目してもらいたいです。大竹は「恩返し弾」が得意という印象を受けます。2017年シーズン・湘南戦(10月29日、1-1)で追いついた1点は大竹です。そして2020年、長崎に移籍してからの岡山戦(7月19日)でも同点弾を決めています。

 本来は、トップ下や右インサイドハーフのポジションで活躍する選手ですが、最近はボランチとして起用されています。今年の天皇杯3回戦で、長崎が3-2でFC東京に勝った試合でも、マン・オブ・ザ・マッチに挙げる人もいました。

 元々、サッカー技術に優れた選手であることは、岡山の皆さんは承知のことと思います。相手が波に乗っているチームであればあるほど、大竹から良いプレーが引き出されるので、今の岡山の選手たちは大竹に十分気を付けたいですね!

 連戦中の長崎ですが、大竹が岡山戦で出場するようなら、大歓声で迎え入れましょう。そして、岡山からの「愛の鞭」で勝ち切りましょう!!(有友修治、NaiKei)

 <有友修治さん サポーター歴7年目。ファジアーノのボランティアにも参加しています。個人の観点から試合を見てきたので、もっと分析的に試合を見たいと思いファジアカに応募しました。ファジアカでの経験を今後に生かしていくためにツイッターにて活動しています! アカウントは @Aritomo_Fagiaka>

 <NaiKeiさん 「写真を撮ることが好き!」で、ファジの写真を撮っています。応援歴9年目。自分が感じてきたことへの確信を得たい!! と分析講座(ファジアカ)に参加。大好きな“ファジアーノ岡山”の写真と文章に“リアル”を加えられることを目標に奮闘中です。インスタグラムのアカウントは @nainai_kkk>



 サッカーを見る時に何に着目するかは人それぞれです。そこに善し悪しや優劣はありません。一人ひとりが持つバックグラウンドや関心によって、視点は変わります。その違いを楽しみ、学び合い、より広く深くサッカーを見る力を養っていくのがファジアカです。

 今回は、戦術的にサッカーを見ることにチャレンジしている有友さんと、写真を撮ることを通じて選手個人にフォーカスするのが得意なNaiKeiさんのペアです。きっと、「へー、そんな見方があるんだ!」「そこまで調べたのはすごいですね!」とお互いの着眼点を尊重しながら作り上げてくれたのではないかと思います。この二人だからできた長崎戦の見どころです。(ファジアーノ岡山フットボール本部アドバイザー・ファジアカ講師 久永啓)
(左から)有友さん、NaiKeiさん、久永さん
(左から)有友さん、NaiKeiさん、久永さん

(2022年09月15日 10時10分 更新)

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