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ヤマトシリアゲ 求愛行動に地域差 岡山と愛知比較、岡山大グループ

ヤマトシリアゲ 求愛行動に地域差 岡山と愛知比較、岡山大グループ
ヤマトシリアゲの雄(岡山大提供)
ヤマトシリアゲの雄(岡山大提供)
石原凌研究員
石原凌研究員
 本州に分布する小さな昆虫・ヤマトシリアゲの求愛行動に地域差があることを、岡山大の研究グループが突き止めた。岡山、愛知両県に生息するヤマトシリアゲを比べると、その“マナー”に明らかな違いがあった。石原凌研究員(行動進化学)は「人間の婚姻文化と同様の結果だった。別の地域でも研究を続け、その生態を明らかにしたい」としている。

 体長約2センチの昆虫で、雄は腹部の先をサソリのように反り上げているため、シリアゲの名が付いた。求愛に向け、雄たちは虫の死骸を争って手に入れた後、フェロモンを出して雌を呼び寄せ、それをプレゼントする。敗れた雄は、交尾の機会を狙い、付近で様子をうかがう習性があるという。

 石原研究員は、岡山県で30例、愛知県で25例について野外観察した。愛知の敗者は30分ほどで立ち去り、別の餌を探しに行った。岡山の雄は約2時間粘り続け、つがいが交尾している隙に餌を奪い、他の雌を呼ぶことに成功。一つの餌に6組が同時に集まる例もあったという。

 さらに、各5組を研究室に持ち帰り、同じ環境で繁殖させて同様の観察をした。岡山32匹と愛知30匹を比べたところ、マナーの違いは子孫にも受け継がれていた。「遠くまで飛ぶ能力がなく、各地域で特定の求愛行動を遺伝させたと考えられる」と石原研究員。現在は青森県で研究を続けている。

(2022年07月31日 19時27分 更新)

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